ロッテ清田 仰天バスター弾「こんな苦い気持ちの本塁打は初めて」

[ 2015年6月13日 05:30 ]

<ロ・巨>7回無死一塁、清田は左越え2ランを放つ

交流戦 ロッテ5-4巨人

(6月12日 QVC)
 同点の7回無死一塁。ロッテ・清田は初球、バントの構えから高めのボールを見逃す。1ボール。この瞬間、頭の中でイメージが出来上がった。

 「2球目は簡単に直球でストライクを取りにくるはず。三塁手がかなりチャージしてきたので、強い打球を叩きつけて(三塁手の)頭を越えるイメージで打とう」。読み通りの展開。ベンチの「バスターで打ってよし」のサインに従い、バントの構えからヒッティングに切り替えた。140キロの甘い直球を捉えた打球は三塁手・辻のはるか上空へ舞い上がり、左翼席に吸い込まれた。決勝の今季8号2ランは、誰も想像していなかった「バスター弾」となった。

 「バスターなのに打った瞬間に入ると思った。(走者を進める)サイン通りにはいかなかったので、こんな苦い気持ちの本塁打は初めてです」

 NTT東日本時代の経験も生きた。「社会人1年目はコーチに言われてずっとバスターで打っていた。コンパクトにスイングするために」。社会人時代にも何度か経験した「バスター弾」もプロでは6年目にして初だった。一塁走者のルーキー・中村も「打つんだなと思ったら、本塁打になって。ビックリしました」と、プロの世界でもそうそうはお目にかかれないレアな一発に驚いた。

 ソフトバンク・柳田、西武・秋山と、し烈な首位打者争いを繰り広げている。5月9日から続いていた連続試合安打は23試合でストップしたが、好調を持続。その理由は精神面の変化だ。「昨季までは結果や人を意識しすぎていた。“打てなかったら監督やコーチはどう思うだろう”とか。余計なことは考えずにやることが自分のためになる」。新聞の打撃成績の欄も見ない。相手投手との対戦に集中する姿が好成績につながっている。

 「次はサイン通り(走者を進められることが)できるように頑張ります」。今の清田には「職人」という言葉がよく似合う。

続きを表示

この記事のフォト

2015年6月13日のニュース