愛媛大の女子選手 最初で最後の全国舞台…補助員で試合見守る

[ 2015年6月9日 12:27 ]

<京都学園大・愛媛大>7回、青木球審(右)に球を届ける愛媛大ボールボーイを務める市川沙来外野手

全日本大学野球選手権1回戦 愛媛大3─6京都学園大

(6月9日 東京ドーム)
 愛媛大の女子選手・市川沙来外野手(4年)が補助員として全国の舞台に立った。過去をさかのぼっても、全日本大学選手権で女子選手が登場するのは異例のケース。ボールボーイならぬボールガールとして、ベンチ横で試合の行方を見守った。

 チームは逆転負けを喫して初戦敗退となったが「先制点が取れたし、勝てるかなと思ったけど…でも愛大らしい野球ができたと思う」。

 岡山県生まれで小3から学童野球を始め、中学時代はバスケ部に所属。それでも「どうしても野球がやりたい」と岡山一宮で硬式野球部に入部し、男子選手と一緒に汗を流した。愛媛大進学時、県内の女子クラブチームも選択肢にあったが「毎日練習したい」と大学野球部に入部。リーグ戦はベンチ入りしたものの出場はなく、今春で引退。今大会が最後の試合となった。

 現在、就職活動中で卒業と同時に競技からも引退するという。「仲間に恵まれた。分け隔てなく接してくれました。やっぱりユニホームを着て公式戦に出たかったけど、リーグ戦のベンチに入れただけでも奇跡です」と振り返った。

 大島知樹監督は「努力家だし、練習も男子と同じメニューをこなしていたけど弱音を吐かなかった。引退してしまうのは残念だけど本当によく4年間頑張ってくれた」と引退を惜しみながら、これまでの歩みをたたえた。

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2015年6月9日のニュース