上本、千金2点二塁打 気持ちは「いつもと一緒。何も意識せず」

[ 2015年6月5日 08:06 ]

<神・ロ>7回2死一、二塁、上本は左中間2点適時二塁打を放ち、一塁を回る

交流戦 阪神3-0ロッテ

(6月4日 甲子園)
 阪神・上本のバットが、接戦に終止符を打ったと言っていいだろう。1点リードの7回2死一、二塁。どうしても追加点が欲しい場面で、選手会長が虎党の期待に応えた。

 「(気持ちは)いつもと一緒です。何も意識せず。(自然体か、の問いに)そうです」

 初球は後頭部付近を通る、すっぽ抜けのカーブだった。前のめりに地面に倒れ、かろうじてよけた。さぞ体は熱を帯びたことだろう。ただ対照的に頭は冷静だった。そして2ボール1ストライクから、カウントを稼ぎに来た外角へのスライダーを振り抜いた。左中間最深部に突き刺さる2点二塁打。前夜は守備でミスがあったが、それを補って余りある働きだった。

 容姿だけでなく内面も「男前」だ。5月24日、DeNA戦(横浜)の9回に山崎康から頭部死球を受けた。選手生命を脅かしかねない危険球に、怒りを露わにしてもいいはずだ。だが上本は違った。怒るどころか、試合直後に謝罪した山崎康に対して「こちらこそ、ゴメン」と応じたという。

 相手はまだルーキーながら、DeNAの守護神を務める将来有望な若手投手。自らへの死球がトラウマになれば、投手の生命線である内角を突けなくなる可能性もある。成長の芽を摘むわけにはいかない。だから、思いやった。「男気」あふれる虎の選手会長は自軍の後輩、岩貞も今季初勝利へ頼もしく援護した。

 2日の今カード初戦から2番に復帰。そして本来の勝負強さも取り戻しつつある。目下3試合連続安打。前夜の4安打に続き、この日もマルチを記録した。6月に入って13打数7安打3打点、打率・538。右肩上がりで復調中の背番号4が、そろそろチームを上昇気流に導いてもいい頃だ。

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2015年6月5日のニュース