阪神楽勝ムード一変…3安打の隼太&4安打上本が痛~い凡守

[ 2015年6月4日 05:30 ]

<神・ロ>7回無死、伊藤隼は今江の打球を後逸する

交流戦 阪神9―8ロッテ

(6月3日 甲子園)
 阪神は伊藤隼と上本の拙守で楽勝ムードが一変した。8点リードの7回。先頭打者の今江が放った低い飛球は右前へ。中堅から右翼へ守備位置を替えたばかりの伊藤隼は出足が遅れながら前へ突っ込んだ。まるで走者がいて、1点も与えてはいけない状況に立たされていたかのような動きだった。

 手前ではずんだ打球はグラブをすり抜けた上に半身の態勢だった体の脇も抜けた。失策はつかず記録上は三塁打とはいえ、和田監督が「行ったにしても止めないと。点差を考えると無理をする場面じゃない」と苦言を向けた判断ミスだった。

 これが負の連鎖を呼んだ。1死後には根元の二ゴロを上本がはじいた。三塁走者の今江はゴロが転がった時点では本塁へスタートを切っていなかった。上本の捕球ミスを見極めてから本塁へ。焦ったようにみえる動きが適時失策につながった。藤浪の連続無失点を途切れさせただけではなく、投球のリズムも崩し、救援陣も含めた一挙8失点という大転落の要因になった。あやうく世紀の大逆転負けにつながる凡守だった。

 せめてもの救いは2人のバットが振れていたことだ。上本は通算3度目を数えた1試合4安打の大当たりで、やっと今季初の猛打賞を記録した。伊藤隼も4月25日の広島戦以来の3安打。5回の右前適時打では2打点も挙げた。

 ただ、好事魔多し、ということか。伊藤隼は5回の走塁で左手親指を負傷。今江の打球処理を誤った時点でも痛みを抱えていた模様で、同じ7回にクルーズの右前打を処理した後に交代した。4日にも精密検査の予定で、結果次第では出場選手登録抹消の可能性もある。疲労感以上の、痛い代償を払った勝利になったかもしれない。

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