虎8―0から追いつかれ…鳥谷サヨナラ犠飛も指揮官「喜べない」

[ 2015年6月4日 06:40 ]

<神・ロ>10回1死満塁、サヨナラ犠飛を放ち、ナインから逃げる鳥谷(中央)

交流戦 阪神9―8ロッテ

(6月3日 甲子園)
 手放しでは喜べない勝利となった。阪神は3日のロッテ戦(甲子園)で延長10回サヨナラ勝ち。連敗を3で止め3位に浮上した。大量8点リードの楽勝ムードが一転、7回に一挙8失点し同点に追いつかれる予想外の展開。最後は鳥谷敬内野手(33)のサヨナラ犠飛で4時間25分の激闘に終止符を打ったが、和田豊監督(52)は「心から喜べる試合ではない」と話し、自戒した。

 8点リードを追いつかれ、屈辱の敗戦などあってはならない。延長に入った10回、1死から途中出場した俊介が左中間二塁打で出塁し続く代打・狩野は粘って四球。途中出場の坂も左前打し満塁。甲子園のボルテージは最高潮に達した。ここで打席に入ったのは、ここまで5打席無安打だった鳥谷。カウント1ボールからロサのフォークを捉えた打球は左翼へ。角中が捕ったのを確認し三塁走者の俊介がスタートし、サヨナラのホームを踏んだ。

 「どんな形でも勝ったので良かったと思います。ヒットも全然打っていないのでここ(お立ち台)に上がるのも恐縮ですけど、チームとしては勝つことを目標にやっているので、どんな展開でも勝って良かった。こっちは裏の攻撃ですし、同点までだったのでいけると思っていた。1アウトでしたし、塁も埋まっていたので楽に打席に立たせてもらった。それがよかった。いい場面で回ってきたので何とか打ちたいなと思いました」

 猛虎打線がこの日は初回から爆発した。口火を切ったのは頼れる主砲だった。初回2死二塁、ゴメスがカウント3ボール1ストライクからロッテ先発のイ・デウンの外角高めの154キロ真っすぐを叩くと、打球はグングン伸びて右中間スタンドに着弾した。5月26日楽天戦以来、7試合ぶりの本塁打。昨年8月14日巨人戦(東京ドーム)以来2本目、甲子園では初となる右方向へのアーチだった。

 「自分の打てるボールを待って、それを自分のスイングでとらえることができたね。右中間の深いところだったからホームランになるか分からなかったけれども、スタンドまで届いてくれてよかったよ」

 5月29日からの西武3連戦では、西武のメヒアと旧交を温めた。メヒアは11年に米ブレーブス傘下2Aのチームに所属。当時ゴメスは同3Aのチームに所属しており、同年春季トレーニングをともに行った仲だ。西武の誇る大砲との会話が刺激になったのか、G砲は前日2日ロッテ戦でも4打数2安打1打点と活躍を見せ3戦連続での打点となった。

 最後はキャプテンが決めた。鳥谷が言った。「もっと早く終われればよかったけど、この勝ちをあしたにつなげられるようにしたい」。4日に勝ってこそ、今宵の白星が生きる。

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