【金本知憲氏 アニキのなんでも相談室】大切なのは「怒る」より「教える」

[ 2015年6月2日 13:51 ]

 【相談(1)】私は正教員を目指し、現在は非常勤講師として某学校で勤務しています。すでに家庭もあります。正教員になるためには国家試験に受からないといけませんが、まだ合格していません。家庭のことを考えると、この先も非常勤では生活もできません。このまま正教員を目指し続けるべきか、一層のこと仕事を変えるか。家族には相談できません。金本さんなら、どこで区切りを付けますか?(兵庫県在住 男性 32歳)

 【意見】難しい質問ですね。人生の大きな分岐点だと思います。僕から軽い気持ちで「こうした方がいい」と言えないということを大前提として答えます。「自分だったらどうするか?」。そう考えてみると、もう少しがんばってみると思います。

 どれくらいチャレンジしてきたのかは分かりませんが、日々の仕事をしながら試験勉強も続けることは大変なことだと思います。家族のことを考える気持ちも、とても分かります。ただ、家族には相談できない、とありますが、やはり、家族にいまの気持ちを打ち明けて相談してみてはどうでしょうか。むしろ、相談しないといけないのではないでしょうか。

 チャレンジを続けるなら、家族の応援は絶対に必要です。もちろん、違う道を進むことも選択肢の一つでしょう。その場合もやはり家族の理解は欠かせません。どちらが正解というものではないでしょうが、家族と話し合うことは必要だと思います。

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 【相談(2)】4月に入り、職場に新しい部下が入ってきました。でも、まだ仕事が覚えられずに、指示する側としても扱いにくいです。怒るにも、まだ仕事に慣れていないんだろうとか思ってしまいます。そこで、です。部下を怒るときのポイントを教えてください。怒り方のコツみたいなもの。金本さんなら、どんな怒り方をします。(徳島県在住 26歳 男性会社員)

 【意見】4月に入ってきた新入社員が仕事をできないのは当たり前のことです。自分が会社に入ったばかりの頃を思い出してください。2カ月くらいで仕事をテキパキとこなしていましたか?きっと、できていなかったはずです。

 まず大切なことは、「怒る」ことよりも「教える」ことではないでしょうか。同じ失敗を繰り返すようなら、「前にも言っただろう。もうそろそろ覚えないといけない」と諭してあげましょう。

 人にはいろいろなタイプがあります。怒られて、ふて腐れてしまう人もいれば、素直に聞く人もいます。これは、言われる側だけではありません。言う側のタイプにも影響されます。

 自分がどういうタイプなのか。怒って相手に言うことをきかせるタイプなのか、根気強く言ってきかせるタイプなのか。自分のタイプに合わないやり方ではあまり効果は望めません。相手も、そして、自分もどういうタイプなのか。それを見極めながら後輩と接することを勧めます。(金本知憲氏=本紙評論家)

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2015年6月2日のニュース