球児 高知入りは“新たな挑戦” 米では手術、家族と離れ離れ…

[ 2015年6月2日 08:20 ]

四国ILの高知に入団することが決まった藤川

 藤川がレンジャーズから事実上の戦力外通告を受けた5月17日。クラブハウスで話す機会があった。19日からはボストン遠征を控え、初めてのフェンウェイ・パークを楽しみにする一方で「この世界は何が起きるか分からない」とも言った。「この後、監督に呼ばれているんです」と席を立った藤川。その後に起きることはある程度、予想していたのだろう。

 藤川は実は昨季が終了した時点で、現役引退も考えていた。そのことを、今年2月のアリゾナ・キャンプで聞くと「メジャーでやるのはゼロからのチャレンジ。新しい自分をつくっていきたい」と答えた。古巣・阪神に限らず、日本球界に戻れば、「藤川球児」としてリスペクトされ、安定した地位も年俸も保証される。しかし、右肘にメスを入れたことで、全盛時の自分とは違うことも自覚していた。再びマウンドに立つには「新たな挑戦」というモチベーションが必要だったのだろう。

 加えて、長いリハビリ生活や今季の開幕からのマイナー調整で、ロサンゼルスに住んでいる家族と離れ離れの時間も多かった。「家族の近くにいたい」というのも高知入りの理由の一つだと思う。メジャーから直接の独立リーグ移籍。それが藤川の言う「新たな挑戦」なのだろう。

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