ソフトB 裏かく采配も代打スクイズ失敗…一夜で首位陥落

[ 2015年5月31日 05:30 ]

<ソ・ヤ>5回1死一、三塁、代打・川島のスクイズで三走・松田が本塁を狙うも憤死

交流戦 ソフトバンク3-5ヤクルト

(5月30日 ヤフオクD)
 ソフトバンクはヤクルトに敗れ、連勝は3で止まった。9回に2点を返したが、序盤から相手ペース。5回に正妻の細川に代打・川島を送る積極采配も実らず、直後の6回に先発ジェイソン・スタンリッジ投手(36)が畠山に痛恨の3ランを浴びた。初の4連勝への試みは4度目も失敗。日本ハムが勝ち、チームは1日で再び2位と後退した。

 外は雨だ。今季初ルーフオープンデーは悪天候で中止となった。ヤフオクドームの開閉式の屋根は閉じられていたが、左翼席には色とりどりの傘の花が咲いた。1点リードした6回1死一、二塁。スタンリッジの投じた真ん中の131キロスライダーは、畠山によって左翼席へ運ばれる決定的3ランとなった。

 「ホームランは打たれてはいけない場面。慎重にいってほしかった」

 工藤監督は試合後、そう振り返ったが、遠因は前の回にあった。2点リードされた5回だ。1死一、三塁で細川に代打・川島。ベンチから送り出す際には「打ってこい」だったが、出たサインはセーフティースクイズだ。1ボールで最初の仕掛けはファウル。2ボール1ストライクからの4球目に再び仕掛けたもののバントは投手正面に転がり、三走の松田は本塁憤死した。

 現役では2位の267犠打を誇る細川を代えた理由を問われた指揮官は「細川君だと相手も(バントを)警戒してくる。川島君は足もある。駄目でもダブルプレーは防げる。決めたら2死二塁から晃君(中村晃)で同点を狙える」と説明した。「リリーフがいいからね」と大道打撃コーチ。ヤクルト救援陣は防御率0・00の守護神バーネットを筆頭に鉄壁を誇る。継投に入られる前に差を詰めておきたい。その焦りが早めの仕掛けをさせ、結果的には失敗した。

 5回まで2失点だったスタンリッジだが、皮肉にも捕手の代わった直後の6回に3失点した。連勝が3で止まり、日本ハムが勝ったために「一日天下」で2位に転落。ただ工藤監督は9回まで頭を抱え、手を叩いたり、胸をなで下ろすなど喜怒哀楽を全面に出して、選手を鼓舞し続けた。

 「あした、だよ。あした、あした!」。今季27勝のうち、14度の逆転勝利。この日、見せた積極策はきっとまた生きる。一度失敗したぐらいで、持ち味を変える必要はない。

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