原監督900勝 3発祝砲「久々にプロ中のプロみたいな打球」

[ 2015年5月27日 05:30 ]

<巨・西>3回1死一塁、左越えに3号2ランを放つ巨人・坂本

交流戦 巨人11-1西武

(5月26日 郡山)
 プロ野球の日本生命セ・パ交流戦が26日、開幕し、巨人は13安打11得点で西武に快勝し、最高のスタートを切った。4番の坂本勇人内野手(26)が2戦連発の3号2ランを放つなど4安打5打点の活躍。長野久義外野手(30)、阿部慎之助内野手(36)も続き、今季初の1試合3発で、球団史上3人目となる原辰徳監督(56)の監督通算900勝に花を添えた。チームは4連勝で貯金を今季最多の7とし、首位DeNAに1ゲーム差に迫った。

 指揮官のメモリアル勝利を祝うような3本のアーチが郡山の夜空にかかった。4安打5打点で、その中心となった主将・坂本は、お立ち台で会心のガッツポーズをした。

 「風と郡山のファンの声援が後押ししてくれた。4本出て良いプレーを見せられて良かった」

 1―0の3回1死一塁。2ボール2ストライクから2球続いた十亀の外角低めのカーブをすくい上げた。高々と舞い上がった打球は左翼席へ着弾。「前で捉えることができたし、良い風にも乗ってくれた。少し崩されましたが、その中で良い打ち方ができたと思います」と胸を張った。

 対戦経験が少ないパ・リーグの投手と相対する交流戦。試合前にはロッカーで十亀の映像を見て特徴を頭にインプットした。「カーブは十亀さんの武器でもある」。周到な準備が2試合連続アーチに結びついた。6回は2点右前打、7回にもダメ押しの左前適時打を放ち、2年ぶりの4安打。5打点は、12年4月26日のDeNA戦(鹿児島)に並ぶ自己最多だ。

 左ふくらはぎの張りから復帰した13日の広島戦(東京ドーム)から12試合連続で4番に座る。復帰直後は打撃不振に苦しんだが、15日のヤクルト戦(同)の試合前に室内練習場で原監督から「密室指導」を受け、上体が突っ込む悪癖をなくすために下半身の動きを修正。すると、この日までの10試合は打率・389、3本塁打、13打点。「体が開かず打ちにいけている」とうなずいた。

 指揮官は交流戦のキーマンに坂本と長野を指名した。その長野も4回に左翼席へ弾丸ライナーで3号2ラン。5回には阿部も右翼席上段へ自身交流戦通算50号となる2号2ランを放った。阿部、長野、坂本のアーチ競演は13年7月24日の広島戦(同)以来、4度目。開幕から貧打に苦しんだだけに、原監督は「打つべき人が打った。久々にプロ中のプロみたいな打球が多く出た」と称えた。

 「枢軸」による3発の花火に彩られ、原監督は通算900勝を達成し、花束を受け取った。先日、昨年5月29日に心不全のため死去した父・貢氏(享年78)の一周忌法要を営んだ。夏の甲子園を2度制覇した父のように、監督として偉大な記録を打ち立て「選手たち、皆さんに900という数字を積み重ねさせていただいた」と感謝した。

 指揮官が信頼を置く4番・坂本が打点を挙げれば12戦12勝と不敗神話も継続。交流戦最高のスタートに、主将は「交流戦は大事。もっと打って貢献したい」と力強く宣言した。

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