オリ西“敵討ち”完封 前日KO金子の一番弟子「死ぬ気で」

[ 2015年5月25日 05:30 ]

<オ・ロ>ウイニングボールを手に笑顔がこぼれる完封勝利の西

パ・リーグ オリックス7-0ロッテ

(5月24日 京セラD)
 オリックス・西は最後までマウンドを譲る気はなかった。「初回からエンジン全開で、気持ちが球に乗っていた」と森脇監督も絶賛した魂の108球。昨年4月8日のロッテ戦以来となる完封に、西は「投げ切れて安心しています」と、お立ち台でようやく笑みを漏らした。前日、3回6失点とKOされた金子の“仇討ち”を、一番弟子が成し遂げた。

 闘志があふれていた。2回には今江と福浦に死球を当てるほど内角を大胆に使った。「手元が狂ったのは申し訳ないですが、自分も死ぬ気でやっている。優しい気持ちでマウンドに立つことはない」。駿太のバックホーム好返球で助けられるなど、この回を無失点でしのぎ流れをつかんだ。

 前回17日の日本ハム戦は、3回2/3を7安打4失点と今季最短KO。だが、「ローテに入って5年目だし、引きずることはない。金子さんにも教わった」と冷静だった。むしろ、師と仰ぐ金子のKO劇が闘志に火を付けたか。「誰がやられても、やり返す気持ち」と相手打線に向かっていったことが好投を引き出した。

 金子にはいつも助言をもらっている。今季開幕から勝てなかった時期や、顔面けいれんで先発回避した時など、金子ならどうするかを常に頭でイメージした。昨オフに「早く俺を超えろ」と言われ、夢ではなく目標とした。それだけに遅ればせながらの今季2勝目だ。

 チームは4連敗で脱出。観戦に訪れた宮内義彦オーナーはコメントを残さず帰宅したが、顔には笑みが広がっていた。だからといって、最下位チームに余裕はない。この日の結果次第では自力優勝が消滅する危機だった。「残り18試合ぐらいの気構えで臨みたい」と森脇監督は決死の覚悟で交流戦に臨むつもり。優勝の望みは、まだ消さない。

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