巨人・高木勇 単独トップ6勝!新人史上初交流戦前に到達

[ 2015年5月25日 05:30 ]

<中・巨>7回途中2失点で6勝目を挙げた高木勇

セ・リーグ 巨人5-2中日

(5月24日 ナゴヤD)
 巨人・高木勇のヒーローインタビューはいつも、どこかほのぼのとする。三菱重工名古屋で7年間過ごしたルーキーはスタンドの両親を見つけられたか尋ねられると、「お父さ~ん、お母さ~ん!」とキョロキョロして、「分からないです」と困った表情を浮かべた。

 6回2/3を6安打2失点。リーグ単独トップの6勝目を挙げ、チームに今季初の同一カード3連勝をもたらした右腕は「名古屋は自分を育ててくれた場所。お世話になった方々の前で元気に投げている姿を見せられて良かったです」と笑った。

 ナゴヤドームのマウンドは人生初めてだったが「ホームなので気持ちで投げた」。最大のピンチは4―0の7回。無死一、二塁から松井雅の投前犠打を三塁へ送球するも野選で満塁となり、代打・小笠原を迎えた。ギアを上げた初球、低めに142キロシュートを投じ、遊ゴロ併殺に仕留めた。鋭く曲がるカットボールを武器とするが「自信につながる一球の一つになった」とうなずいた。

 名古屋は夢を追い続けた場所でもある。三重・海星高時代を含めれば5度の指名漏れ。ドラフト当日は記者会見の場を用意してもらいながら声がかからず「周りに申し訳ない」と歯がゆさを募らせた。ドラフト翌日だけはブルペンや練習試合で好きなように投げさせてもらった。「“休養日”です。フルスロットルで何も考えずに投げる。野球の楽しさを感じてました」。今も古巣の動向はチェック。感謝の気持ちを込めて腕を振った。

 開幕から5連勝後に2連敗しても、負けた翌日には「忘れました」と言ってのける強心臓の持ち主。新人で交流戦までに6勝を挙げたのは史上初だ。通算900勝に王手をかけた原監督も「全体的に安定感がある。家族も安心しているんじゃないでしょうか」と右腕をねぎらった。

 26日からは交流戦。「凄い打者がたくさんいるパ・リーグですが、自分の投球を変えずに勝負したい」と高木勇。セの勝ち頭としてパの強打者たちに挑む。

 ≪球団55年ぶり≫高木勇(巨)が大谷(日)に並ぶ両リーグ最多の6勝目。交流戦開始前に6勝以上は、10年杉内(ソ)、昨年菅野(巨)、西(オ)の各7勝を筆頭に両リーグ12人目。新人では13年菅野、昨年大瀬良(広)の各5勝を抜く最多勝利になった。また、巨人の新人で5月までに6勝以上は、60年堀本律雄の11勝以来55年ぶり2人目だ。この日は初回の無死二塁を無失点で切り抜けるなど走者得点圏で8打数無安打。得点圏被打率・163は、セ規定投球回到達投手で小川(ヤ=.175)を抑えて1位と、新人離れの粘り強さを見せている。

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