「守り勝つ」徹底でついに…東大 今春9試合でリーグ最少3失策

[ 2015年5月24日 06:30 ]

<東大・法大>法大を破った東大ナインは笑顔でスタンドにあいさつ

東京六大学野球第7週第1日 東大6―4法大

(5月23日 神宮)
 1694日ぶりに勝った!東大が延長10回の末に法大を6―4で下し、2010年秋から続いていたリーグワーストの連敗記録を94(2分けを挟む)で止めた。8回に2点差を追いついて延長に持ち込み、10回に法大の連続野選で2点を勝ち越し、そのまま逃げ切った。12年11月に就任した浜田一志監督(50)は初勝利。今季は35季連続最下位が確定しているが、24日の法大2回戦で02年秋以来の勝ち点奪取に挑む。

 飢えていた勝利まであと1人。三塁側スタンドから熱い声援が飛んだ延長10回、2年生・柴田は最後の打者を空振り三振に抑えた。3時間3分の激闘を制し、ベンチ前では板東秀憲マネジャーが涙を拭う。浜田一志監督は「こんなにドラマチックに逆転、逆転でとは思っていなかった。やっとトンネルを抜けた」と興奮を隠せなかった。

 今季のスローガン「勝」に向かって全員が一丸になり、1694日ぶりの白星をつかんだ。2回に1点先制されても慌てない。5回1死二、三塁は暴投で2者が生還して逆転。7回に2―4と逆転されたが、直後の8回の2点で延長に持ち込んだ。そして10回は楠田と山田の内野ゴロが立て続けに野選を誘った。執念の勝ち越し。楠田は「試合後にスタンドがワァーとなっていて、(勝利を)実感した」と喜びつつ胸を張った。

 10年秋の早大1回戦で勝利を挙げて以来、8季連続で未勝利。昨秋に34季連続の最下位に終わると、入学以来、勝利の味を知らない選手たちは「守り勝つ」ことをテーマに掲げた。シートノック前には内野のボール回しを55秒以内で10周。ミスが出ればやり直し。これを毎日繰り返した。また対戦校の野手が打球を放ってから一塁に到達するタイムを計測し、走者を付けた試合形式のノックでは「打者は法大の畔上!」などと実戦を想定。タイムを超える内野守備をすれば、全員から「神宮ならセーフだぞ!」と仲間に容赦なく罵声を飛ばした。昨秋は19失策だったが、今春は9試合でリーグ最少の3失策でこの日も無失策。8回から登板し、試合を締めた柴田は「内野も外野も安心感は凄くある。助けてもらっている」と鉄壁の守りに感謝した。

 浜田監督は46連敗中の12年11月に就任し、昨春リーグワーストを更新する71連敗を喫した。スポーツ推薦がない東大に甲子園に出場した部員はいない。選手のプラスになればと谷沢健一氏、桑田真澄氏ら、元プロ野球選手の指導も仰ぎ、全国の指導者が集まる1月の大学監督会では疑問点をぶつけて回った。それでも100連敗が目前に迫っていただけに「最後の1球まで僕は確信できなかった。選手には言っていなかったが(100連敗の)プレッシャーはあった」と安どした。

 試合後、制服姿でロッカーから出てきた選手たちに浮かれた様子は一切なかった。飯田主将は「うれしいけど、あしたも試合はある。勝ち点を取れるチャンスがあるので、勝ちきる」。02年秋以来の勝ち点奪取へ、本気の目つきでナインの思いを口にした。

 ▼東大・山田(8回に同点の右中間適時三塁打など2安打)僅差で勝つことを新チームからやってきた。めちゃめちゃうれしいですけど、勝ち点を取るためにあした以降はやりたい。

 ▼東大・宮台(3番手で2回4安打3失点もチームは逆転勝ち)普段通りを心掛けた。僕は悔しいですけど、勝ってうれしい。

 ≪法大から勝ち点なら22年ぶり≫東大は、法大から08年秋以来の勝利。25日の2回戦にも勝てば、02年秋の立大戦以来の勝ち点を挙げることになる。また、法大を相手に最後に勝ち点を挙げたのは93年秋。勢いに乗って22年ぶりの快挙となるか。

 ◆東京大学硬式野球部 1919年(大8)創部。25年(大14)秋に早大、慶大、明大、法大、立大の東京五大学野球連盟に加わり、東京六大学野球連盟が誕生。優勝経験はなく、最高成績は46年春の2位。個人タイトルは28年秋の三島、31年秋の広岡ら過去に8人が首位打者を獲得している。通算成績は245勝1568敗55分け、勝率・135。65年に大洋(現DeNA)に入団した新治伸治を第1号に、計5人がプロ入り。グラウンドは東京都文京区本郷。

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