和田トラ初の単独最下位…ファン罵声「出直してこい!」

[ 2015年5月10日 05:30 ]

<神・広>和田監督はリードを許す能見(左)を恨めしそうに見つめる

セ・リーグ 阪神10―0広島

(5月9日 甲子園)
 阪神は9日、広島戦(甲子園)で0―10と今季3度目の零敗を喫し初の単独最下位に転落した。10試合消化以降では2011年6月8日以来、1431日ぶりの屈辱で、和田豊監督(52)就任後では初。攻撃陣は6安打と元気がなく10試合連続1桁安打の貧打状態。打開策が見つからず、浮上のきっかけをつかめないままでいる。

 打つ気配どころか覇気すら感じられない。4万5832人の大観衆も、目の前で繰り広げられた拙攻劇には絶句するしかない。試合終了の瞬間には一転、罵声が飛び交った。「もうアカンな!」「出直してこい!」。切実なファンの声は、グラウンド上の選手の胸に届いているのだろうか…。

 単独最下位―。落ちるところまで落ちた。「もちろん、どの時期であっても、一番下というのはファンに対して申し訳ない。ただ、今は順位うんぬんよりチームの状態をどう上げて、どう巻き返していくか」。敗戦後の和田監督は言葉を絞り出して前を向いたが、謝罪の言葉は聞き飽きた。ファンを納得させるには、結果で応えるしかない。

 情けなく不甲斐ない惨敗。相手先発・ジョンソンの前に凡打の山を築かされた。初回2死満塁ではマートンが二ゴロに倒れ、2回2死二塁でも西岡が投ゴロに終わった。4回2死満塁に至っては西岡が空振り三振に倒れて尻もちを突く始末。マートンが「ごめんなさい」と言えば、西岡も「打てるよう頑張ります」と言葉少なくクラブハウスへ引き揚げた。

 ジョンソンとは3度対戦し計18イニングでわずか2得点。初対戦となった12日の2回に2得点して以降、17イニング連続無得点と封じられたまま。指揮官は「同じ投手にやられすぎ。きょうで3回目だからね。塁に出たら多少、コントロールが乱れる投手なんだけど。走者をためるところまでは行くんだけど、還す打撃がね」と振り返ったが、学習の跡は見えなかった。関川打撃コーチは「何もない」と多くを語らず。10試合連続1桁安打で不振打開の兆しすら見えてこない。

 時間は止まってくれない。それなら前を向くしかない。試合後、クラブハウスで開かれたコーチ会議は普段以上に長引いたもようだ。テコ入れ策として、きょう10日は3試合連続無安打のマートンを先発から外す可能性もある。和田監督は「今までのことより、ここからどう這い上がっていくかを考えて、明日からまたやっていきます」と結んだ。なりふり構わず、勝つしかない。

 ≪1431日ぶりの屈辱≫ 阪神は広島に敗れて今季初の6位転落。チームの6位は昨季開幕4試合を終えた4月1日以来だが、序盤10試合を消化して以降では、真弓監督時代の11年6月8日以来1431日ぶり。和田阪神では初めて。今季は4月11日に初めて広島と同率最下位(5位)になって以降、単独最下位転落のピンチを5度回避してきたが、今回ついに力尽きた。

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