高木勇 無傷の5連勝!堀内恒夫以来の巨人新人49年ぶり

[ 2015年5月4日 05:30 ]

<巨・神>無傷の5勝目を挙げ笑顔を見せる高木勇

セ・リーグ 巨人10―3阪神

(5月3日 東京D)
 持ってるルーキーだ!巨人のドラフト3位・高木勇人投手(25)が3日の阪神戦に先発し、6回3失点でリーグ単独トップの勝ち星を5に伸ばした。3―3の6回2死一、三塁で代打を送られたが、打席に立った金城龍彦外野手(38)が勝ち越し2点二塁打を放ち、白星が転がり込んだ。開幕から無傷の5連勝となり、巨人の新人では66年堀内恒夫以来49年ぶり史上5人目の快挙を成し遂げた。チームは3連勝で貯金を今季最多の6とした。

 勝ち越すと信じていた。3―3の6回2死一、三塁。代打を送られた高木勇は一塁ベンチから打席の金城を見つめた。「打ってくれる独特のオーラがある」。予感的中。白星が手に入るラストチャンスで打球は左翼線へ抜けた。右拳を突き上げ、手を叩いて喜んだ。

 「一番疲れた試合かな、と思います。自分が抑えたというよりも、皆さんに打ってもらって勝てた試合です」。野手に感謝したが、自らの粘投で白星をつかんだ。5回に同点とされ、なお2死一、三塁のピンチ。マートンに対し、曲がりが大きく「高木ボール」と呼ばれるカットボールを2球続けて追い込んだ。直球を3球続け、2ボール2ストライクからの6球目。小林のサインに2度首を振った。「一番打たれる確率の低い球だと思った」。宝刀カットボールを投げ込み、二直に仕留めて雄叫びを上げた。

 先制された2回も1点で食い止め、3回も無死満塁から福留の中犠飛だけで切り抜けた。「我慢しながら“最少失点”と思ってやるのが自分の姿」。12日ヤクルト戦(東京ドーム)でも7回に1点先制されたが、その裏に打線が逆転して3勝目を手にした。2度目の強運。しかも新人で開幕から5連勝は、66年堀内以来、49年ぶりの快挙だ。「ビックリ。ピンとこない」と驚くドラフト3位を原監督は「粘り強く投げるのはどういう状態でも欠かせないところ。さん然と輝く記録を伸ばしていってほしい」と称えた。

 切り替えの早さが驚異的な粘りを生む。「試合が終わったら次への調整」がモットー。まずは復習する。「結果が良くても自分の中で気持ち悪い」と登板した当日に試合の映像を見て、納得がいかなかった場面や投球フォームを確認する。そして翌日以降は映像を一切見返さない。この日も「一球一球が修正」と失点を引きずらず、本調子ではない中で開幕から6試合連続クオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を達成した。

 高校時代から5度の指名漏れの末に入ったプロの世界は、幼い頃からテレビで見ていた夢舞台。マウンドに立つ時「プロは魅せるスポーツ。僕は大谷君のように160キロは投げられないから、勝つことで魅せたい」と誓う。決意通りに勝ち、ゴールデンウイークでスタンドを埋めた今季の本拠最多となる4万6587人の観衆を魅了した。

 東京ドームは4戦4勝。全て日曜日に投げ、チームの開幕からの日曜日6連勝にも貢献している。早くも4度目のお立ち台。「僕は僕です。僕はジャイアンツが大好きです!」と、天然の“高木節”で締めくくった。

 ≪5人目快挙≫新人の高木勇(巨)がデビューから5連勝。巨人の新人で無傷の5連勝以上は66年堀内が13連勝して以来49年ぶり5人目になる。高木勇は、ここまで6試合全て先発登板。巨人に限らず新人の開幕5連勝以上は12年十亀(西)の6連勝以来だが、オール先発勝利は42年藤本英(巨)10連勝、53年小山(神)5連勝、61年村瀬(巨)5連勝に次いでプロ野球4人目だ。ちなみに前記堀内はデビュー4勝目までは3完封を含め全て先発で記録したが、5勝目は救援勝利だった。

 ≪今季最多の観客動員≫ゴールデンウイーク唯一の日曜日となった3日、コボスタ宮城と京セラドームで球団過去最多、東京ドームで今季最多の入場者数を記録。6球場で計20万1983人が観戦した。

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