V打デビューのフランシスコ 元同僚ムネリンから事前に情報収集

[ 2015年5月3日 07:40 ]

<巨・神>7回無死二塁、フランシスコは一塁強襲の適時内野安打を放つ。投手・藤浪
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セ・リーグ 巨人1-0阪神

(5月2日 東京D)
 V打デビューだ!メジャー通算48本塁打の実績を誇る巨人の新外国人、ホアン・フランシスコ内野手(27)が2日の阪神戦に「5番・一塁」で初出場。2打席連続三振で迎えた7回の第3打席に0―0の均衡を破る決勝の一塁強襲安打を放った。デビュー戦で1―0の勝利打点をマークしたのは外国人選手に限らず球団史上初となった。チームは貯金を今季最多の5とし、2位 とのゲーム差を1・5に広げた。

 来日からわずか10日後の初出場で、お立ち台に上がった。何もかもが初体験。「超満員でびっくりしています」。インタビューを終えたフランシスコは、陽気にステップを刻みながらファンとハイタッチを交わし、サインボールを豪快に2階席まで投げ込んだ。

 「タイムリーが出て、それが決勝点になって本当にうれしい。勝利に貢献できるように全力でプレーしました」。伝統の一戦でいきなりのヒーロー。来日初安打の記念球を「自宅に飾ります」と大事そうに持ち帰った。

 0―0の7回無死二塁。それまで藤浪の前に2打席連続で空振り三振に倒れていたが「フルスイングが自分のスタイル」と、ここでも果敢に振っていった。徹底した内角攻めで追い込まれたが、5球目の内角カットボールを強振。一塁線に飛んだ痛烈な打球がゴメスのミットをはじく。決勝打に、両手で控えめに天を指さして喜んだ。

 111キロの巨体ながら、体の柔軟さもある。一塁守備では、2回1死からマートンの一塁線への痛烈な打球に飛びついてはじき、長打を食い止めた。上々のデビューを飾り、原監督も「自分のスタイルを試合で出せている。強さというものを感じた」と称賛した。

 27歳の陽気なドミニカン。日本の文化や食事にも興味を示し、前夜は関係者と都内の焼き肉店に出掛けた。肉ばかりかと思いきや「好物の野菜も多めに取った」(関係者)という。試合前は取材用のテレビマイクを食べるフリをして笑わせ、練習中は歌を口ずさむ。ベンチで「キヤ~!」と奇声を発し、選手が目を丸くする一幕も。指揮官は「こう見えて若いんだから甘やかさないように。ちょっとおなかが出てるけど8月ぐらいにシュッとなるよ」とナインに紹介した。

 球団が13年から継続して調査し、獲得にこぎ着けた新戦力。フランシスコ自身も、メジャー時代から田中(ヤンキース)やダルビッシュ(レンジャーズ)の投球を見て「球種が多くて凄い」と日本野球の印象を抱き、昨季ブルージェイズで同僚だった川崎からも情報収集していた。来日後は試合を熱心にテレビ観戦する研究熱心な一面も。この日もアンダーソンから藤浪について「直球とカットの組み立ての投手」と特徴を聞き、そのカットボールを仕留めた。

 メジャーで昨季まで2年連続2桁本塁打を放ったフランシスコ。次にファンが期待するのは一発だ。「自分に求められているのはアーチだと思いますが、一打席ずつ大切に頑張ります」。陽気で、どこか愛嬌(あいきょう)のある新助っ人が、首位に立つチームを加速させる。

 ≪ゴンザレス以来≫フランシスコ(巨)が7回決勝の適時内野安打。巨人の新外国人が来日初試合で勝利打点は07年3月30日横浜戦でゴンザレスが記録して以来8年ぶりだ。また、チームはフランシスコの1打点のみで勝利。巨人でデビュー試合に1―0完封勝利の決勝打は外国人に限らずフランシスコが初めてになった。

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