西武19歳森 40歳レイ撃ち 開幕4連勝中助っ人右腕に黒星つけた

[ 2015年5月2日 05:30 ]

<楽・西>6回無死一塁、森が左越えに今季4号となる2ランを放つ

パ・リーグ 西武4-1楽天

(5月1日 コボスタ宮城)
 19歳・森が40歳・レイの開幕連勝を止めた。西武の森友哉捕手(19)は1日、楽天戦で1―1の6回に勝ち越しの左越え4号2ランを放った。値千金の決勝アーチはプロ通算10号となる節目の一発。さらに今季4本塁打は全て楽天戦という相性の良さも発揮し開幕4連勝中だった楽天のケニー・レイ投手(40)に今季初黒星を付けた。

 打った瞬間、スタンドインを確信した。狙い通り、してやったりだ。6回に勝ち越しの左翼への2ランを放った森は満面の笑みで語った。

 「踏み込んで、思いっきり逆方向に打ちました。ちょっと浮いてきた球を、狙い通りに打つことができた」

 同点に追いつかれた直後だった。無死一塁。それまで2三振と完璧に抑え込まれたレイの初球、高めに浮いたツーシームを捉えた。右足で踏ん張りを利かせ、フルスイングした。敵軍先発は開幕から4連勝中だった好投手。手元で動くボールに対応するため、森は試合前から「逆方向にコンパクトに振り抜こう」と肝に銘じた。そして高めの1球を逃さなかった。

 今季4号は、自身プロ10発目となる節目のアーチ。それでも19歳は「ただの通過点です」と言い切った。かつて森は自らの打撃論を語ったことがある。「本塁打にはこだわりがないんです。それよりも率を残したい」。試合前の打撃練習では左右に打ち分け、状態を確かめる。大阪桐蔭の先輩で5度の本塁打王に輝いた中村が、引っ張り一辺倒なのとは対照的だ。それでもスタンドまで運ぶことができる理由を田辺監督は「インパクトの強さが違う。あれだけ振っているから、逆方向にも運ぶことができる」と分析した。

 レイ対策として、指揮官から「粘って球数を放らせることを徹底しよう」と伝えられた。4月24日(コボスタ宮城)に右腕と対戦したロッテ打線は早打ちで、6回1得点に終わっていた。40歳の相手を考え、この日はスタミナを消耗させる作戦に出た。森は空振り三振を喫した4回の第2打席で、追い込まれてから3球連続でファウル。8球を投じさせた。前回登板は6回80球だったレイだが、球が高めに浮き始めた92球目を叩いた。

 指揮官は「球数を放らせたのが大きかった。球が上ずってきたところを捉えた」と称賛。作戦を貫徹した19歳は「積極的な打撃をしたいと思っていた。うれしいです。いい流れできているので、9連戦は勝ち越したい」と胸を張って帰りのバスに乗り込んだ。

 ≪楽天戦は打率4割超え≫森(西)が6回に勝ち越し2ラン。決勝本塁打は、4月16日の楽天戦で打って以来通算3本目だ。また、今季の本塁打は全てこのカードでマーク。楽天戦とその他4球団の合計成績を比較すると

楽天戦  6試合 .417 4本塁打 10打点
その他 20試合 .261 0本塁打 5打点
 打率はオリックス戦の.333を上回る最高で、打点は他カード合計の倍となる10も稼いでいる。

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