阪神ドラ3江越 岡田以来虎35年ぶり!新人1号がV弾「鳥肌立った」

[ 2015年4月29日 05:35 ]

<神・ヤ>2回、江越はプロ初本塁打となる3ランを放つ

セ・リーグ 阪神3-1ヤクルト

(4月28日 甲子園)
 緊張と興奮が入り交じっていたのだろう。「何も覚えていない」と無表情でダイヤモンドを駆けた阪神・江越は、自ら起こした現実に気付いたように、二塁を回ったところで「よっしゃー」と吠えた。

 2回1死一、三塁から左中間へプロ1号の先制3ラン。阪神新人の1号が勝利打点となったのは80年5月1日、巨人戦(甲子園)の岡田彰布以来35年ぶりだった。

 初めてのお立ち台では「最高です!」と初々しい笑顔。アーチの後の大歓声を「凄かった。鳥肌が立った」と声を震わせながら振り返った。

 開幕1軍入りを果たしたものの、打率・091と結果が出ずに13日に2軍降格。ファームで指導にあたる掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーターから「当てにいくスイングになっている」と声を掛けられた。ポイントを前にすることを意識して打ち込み、2軍戦で打率・333とアピールして26日に再昇格。2試合目で結果を出した。

 「大賀(たいが)」の名前が最も似合う球団にドラフト3位で入団。3割30本塁打30盗塁を目標に掲げ、パワー強化を怠らない。時間があればプロテインを口に運んだ駒大時代。そして、大事な験担ぎもある。大学の重要な試合前日は必ず、枕元に次の日に身に着ける用具一式を置いて眠りについた。今となっては「そんなことしてましたっけ?」と苦笑いを浮かべるが、野球道具への感謝と共闘の思いが込められた「添い寝」だった。

 1軍再昇格の26日は広島遠征。寮を出発する前、同期入団の石崎から「頑張ってこいよ!」と励まされ、「頑張ってきます」とうなずいた。「あすからまた勝利に貢献したい」。チームは開幕3連勝以来、約1カ月ぶりの連勝。波に乗りきれない猛虎を新鋭が目覚めさせた。

 ▼阪神・和田監督(試合前の練習で江越を指導)きっかけをつかんでくれれば、それなりのものを持っているから。

 ≪珍し残塁0≫江越(神)が2回に成瀬からプロ1号3ラン。今季の新人選手の本塁打は4月19日の野間(広)に次ぐ2人目で、阪神新人の本塁打は昨季7発の梅野以来。阪神は打者27人で残塁0。走者が出た2回は本塁打で全員を還し6回は併殺打が出たためで、チームでは13年5月7日巨人戦(東京ドーム、5―0)以来2年ぶりと珍しい。

 ◆江越 大賀(えごし・たいが)1993年(平5)3月12日、長崎県生まれの22歳。長崎・海星では投手兼外野手を務め、甲子園出場なし。駒大では1年春からレギュラーとしてベストナインを3度獲得。3年時には日米大学野球選手権に出場。14年秋の明治神宮大会で13年ぶりの優勝に貢献。同年ドラフト3位で阪神入団。1メートル82、83キロ。右投げ右打ち。

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