2年目若竜・桂 初出場初安打が初本塁打!「ポスト谷繁」名乗り

[ 2015年4月22日 05:30 ]

<中・ヤ>5回1死、プロ1号本塁打を放ち、ナインと笑顔でタッチする桂(中央)

セ・リーグ 中日3―2ヤクルト

(4月21日 ナゴヤD)
 姓は桂。名は依央利と書いて「いおり」と読む。ニックネームは可愛らしく「いおりん」。中日のプロ2年目、23歳の若竜が会心の一撃を放ったのは5回だ。成瀬の初球。123キロのチェンジアップを思い切りよく振り抜いた。プロ初出場で初スタメンマスク。2打席目の初安打が初アーチとなって左翼席に吸い込まれていった。中日では09年の福田以来となる、プロデビュー戦での一発だ。

 「無我夢中で思い切り振りました。完璧でした。(お立ち台は)気持ちいいです!」。右前距腓(ひ)じん帯損傷で出場選手登録を抹消された武山の代役として、19日に1軍に昇格したばかり。こちらも初のお立ち台で、ファンの歓声に初々しく大きな声で応えた。中日にとって待望久しい正捕手候補。遠投115メートル、捕球から二塁到達までのタイムは1・85秒と強肩を誇る。そしてパンチ力満点の打撃。桂が「ポスト谷繁」へとインパクト十分の結果を残した。

 甲子園出場はなく、中央球界では無名の存在だった。大阪府大東市にある太成学院大高までは、自宅から電車を乗り継いで約1時間。「満員電車が面倒だった」と自転車で通うようになった。毎朝5時に起床。長距離の自転車通学で、自然と足腰が鍛えられた。

 プロ1年目の昨春キャンプでは送球難に。いわゆる「イップス」で、一時は投手への返球も満足にできなくなった。「つらい時もあったけど、1軍でやるという思いだけだった」。谷繁兼任監督のプレーするDVDを数え切れないほど見て研究。今では「足の運びなんてそっくり」(達川チーフバッテリーコーチ)というキャッチング技術を身に付けた。この日のリード面での自己評価は50点。大野に何度も首を振られ、捕逸したことを反省し「これからもきょうの気持ちを忘れずにやっていきたい」と誓った。

 「ナゴヤドームは我が家なので…。あしたも頑張っていきま~す!」。これで「我が家」のナゴヤドームでは今季11勝2敗。首位・ヤクルトにもゲーム差なしの9厘差に迫った。桂依央利。この名前、覚えておいて損はない。

 ◆桂 依央利(かつら・いおり)1991年(平3)7月9日、大阪府生まれの23歳。小2からソフトボールを始める。太成学院大高では甲子園出場なし。大商大では4年春、秋に首位打者を獲得。秋は42季ぶりのリーグ優勝に貢献し、神宮大会4強。13年ドラフト3位で入団。昨季はウエスタン・リーグで53試合に出場し、打率・267、1本塁打、14打点。1メートル85、83キロ。右投げ右打ち。

 ▼中日・谷繁兼任監督(スタメン起用した桂について)去年、(1軍で)出ているもんだと思っていた。ファームでやってきたことをそのまま出してくれたね。

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