柳田 マルチで打率トップ浮上、つなぐ意識の3番で打線けん引

[ 2015年4月16日 07:40 ]

<オ・ソ>3回2死一、三塁、柳田が中前に適時打を放つ

パ・リーグ ソフトバンク7―4オリックス

(4月15日 京セラD)
 ソフトバンクは15日、オリックスを7―4で振り切り、今季2度目の連勝を飾った。不振だった打線が10安打7得点と息を吹き返す中、柳田悠岐外野手(26)はこの日2安打で打率を・368とし、リーグトップに浮上した。今季から3番に固定されている柳田が、つなぐ意識で打線をけん引し、チームは今季最多タイの貯金2とした。

 冷静だった。同点に追いついた3回2死一、三塁。柳田は左腕・松葉の初球124キロスライダーを逆らわず、中前へと打ち返した。持ち味のフルスイングを封印しての勝ち越し打。大人になった背番号9がそこにいた。

 「いまは3番を打たせてもらっている。ウチさん(内川)が調子いいので、まずは塁に出ようというのが一番ですね」

 初回の第1打席は低めのツーシームで投ゴロに倒れていたため、高めの変化球を狙っていた。つなぎの意識が求められる3番の仕事が板についてきた。

 実は右投手と左投手とでは打ち方を変えている。左投手と対戦する際は右足を大きく開いて構え、普段の一本足打法を、ほぼすり足にする。「ボールの見え方が違う」。パワーはためにくいが、勝利に貢献するため投球の見やすさを優先させているのだ。同点の5回1死二、三塁では、二塁正面への強烈なゴロが名手・平野恵のトンネルを誘い決勝点に。さらに1点リードの7回1死では、右腕の塚原に対し、追い込まれるまではフルスイングだったが、最後はコンパクトに138キロのフォークを拾い右前打。直後の内川のダメ押し2ランにつなげた。

 史上9人目となる「3割、30本塁打、30盗塁」のトリプルスリー達成や「40本塁打40盗塁」のフォーティーフォーティーを期待されるなど、ずばぬけた身体能力は無限の可能性を秘めている。だが、今季の本塁打は3月31日のオリックス戦(ヤフオクドーム)の1本のみ。それも新設のホームランテラスに入ったものだ。「ホームランがベストですけど、まずはヒットを打つことが大事」。ソロ本塁打では1点しか入らないが、つなぐことができれば2点、3点と入る可能性もある。この日の2安打で打率は・368でリーグトップに立った。好調の要因は、つなぎ優先の意識改革だ。

 今季2度目の連勝で、今季最多タイの貯金2。満面の笑みで監督室から出てきた工藤監督は、4打点を挙げ、リーグトップの16打点とした内川とともにその名を出した。「柳田君が4番につないでくれたのが、きょうの勝因ですね。いいゲームだった」。

 3カードぶりの勝ち越しを決めた指揮官は「力」ではなく、新たに身につけた「技」で勝利に導いた男に最大級の賛辞を贈っていた。 

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2015年4月16日のニュース