野球くじ発売か 過去に「黒い霧事件」…球界抵抗感も「新国立」財源に

[ 2015年4月15日 06:20 ]

新競技場建設に向け解体工事の進む国立競技場

 「野球くじ」が誕生する!?超党派の国会議員でつくるスポーツ議員連盟は14日、スポーツ振興くじの制度改正に関するプロジェクトチームの会合を実施。サッカーに加えて新たにくじの対象とするスポーツを、プロ野球を軸に検討することを決めた。2020年の東京五輪に向け、増大が懸念されている新国立競技場の改築費などに充てたい狙い。今国会中に関連法の改正法案の提出を目指す意向だ。一方、球界には1969年の「黒い霧事件」の影響もあり、八百長行為につながりかねないとの懸念の声がある。

 ファンが試合の勝敗に一喜一憂しそれが億単位の巨額な「当せん金」につながる――。そんな未来が近いうちにやってくるのか。スポーツ振興くじは、最高6億円の高額配当が人気の「BIG」などサッカーで運営が好調。そこに「プロ野球」が加わる可能性が出てきた。

 国民的人気スポーツが、新たなくじの対象に。議連は5月上旬までに日本野球機構(NPB)や日本プロ野球選手会など関係団体と協議し、実現に向け協力を求める。その上で、今国会中に議員立法で関連法の改正法案の提出を目指す意向だ。遠藤利明座長(65)は八百長防止のため、購入者の意思にかかわらずコンピューターが無作為に行った勝敗予想に委ねる「非予想系くじ」とする方針で一致したと明言。「不正が一切できないことを打ち出せば、売り上げは見込める。野球が対象になるのはインパクトがある」と力を込めた。

 狙いは20年東京五輪で使用する新国立競技場の建築費などの捻出。総工費は資材の高騰などで13年7月時点の試算である1625億円を大幅に上回る見通しとなっている。新たな財源確保の必要性に迫られる中、プロ野球を加え、くじの売り上げを伸ばしたい考えだ。議連は14年度に過去最高の約1107億円だった売り上げの2割増を目標に掲げ、国立競技場の改築に充てることができるくじの収益の割合を従来の5%から10%へと引き上げるため、日本スポーツ振興センター法の改正を目指す方針も固めた。

 プロジェクトチームでは2年前にまとめた報告書で、くじの対象競技の条件として(1)国民に幅広い人気がある(2)天候に左右されず安定して試合が実施できる(3)集団のプロスポーツ、などを挙げた。議連では当時、野球や大相撲などを拡大の対象として検討したが、八百長問題などの懸念から見送られた経緯がある。それが東京五輪の開催決定で、風向きが変わったといえる。

 しかし球界の現場では、その八百長などの不正行為に対する抵抗感が根強い。69年に発覚した「黒い霧事件」では、暴力団の要請で八百長行為に関与したとされる選手が永久追放に。信用が失墜した過去があるだけに、ある球界関係者は「反社会的勢力の対策をどうするのか。いったい誰がやるのか。そんなに簡単なことではない」とした。遠藤座長は「(球界関係者に)これから話をする。丁寧に進めたい」と慎重に手続きを進める考えを示した。

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