昨季は世界一逃したロ軍…青木からかわれた「何でおまえがここにいるんだ」

[ 2015年4月15日 05:30 ]

<ジャイアンツ・ロッキーズ>本拠地開幕セレモニーで盛り上がるサンフランシスコのファン(AP)

ナ・リーグ ジャイアンツ0―2ロッキーズ

(4月13日 サンフランシスコ)
 ジャイアンツの青木宣親外野手(33)が13日(日本時間14日)、本拠地開幕戦となったロッキーズ戦で2安打し、開幕から8試合連続安打をマーク。ロイヤルズに所属した昨季から続く連続試合安打を自己最長の16に伸ばした。打率を・412に上げ、リーグ4位に浮上。試合前には昨年のワールドシリーズ制覇を祝う式典が行われ、その時は敵チームにいた青木は複雑な心境だったが、好調なバットで早くも新天地のファンのハートをつかんだ。

 快晴の下で行われたワールドシリーズ制覇を祝う盛大なセレモニー。最近5年間で手にした3つのトロフィーとともに、センター後方から選手たちが現れると、球場は大歓声に包まれた。MVPのバムガーナーは馬に乗って1周した。しかし、青木だけは複雑な心境だった。昨年のワールドシリーズは敵チームのロイヤルズ所属選手。守護神のカシーヤには「何でおまえがここにいるんだ」とからかわれ、「僕がその場にいたことでみんなにゲラゲラ笑われ、居場所がなかった」と世界一への思いをさらに強くして臨んだ試合だった。

 だが、地元ファンのハートをつかむのに時間は要さなかった。試合前はアナウンサーが「Welcome、Aoki―san!」と紹介。今季から使用する新登場曲「ミザルー」のギターサウンドに乗って登場した初回の第1打席は、バトラーの92マイル(約148キロ)の外角速球を簡単に中前にはじき返した。

 「本拠地で早めにヒットが欲しかった」。あいさつ代わりの本拠地初安打に歓声が上がる。四球で出塁した2回には今季初盗塁を決め、4回には左前打し、開幕8試合目で早くも5度目のマルチ安打を記録した。打率・412はナ・リーグ4位、14安打は3位、出塁率・474は4位と、好調なバットは止まる気配がない。昨季から通じて16試合連続安打。ブルワーズ時代の12年にマークした15試合を上回るメジャー自己最長には「合算だから」と苦笑いしつつも「いつも打つ気満々で打席に入っているし、いいことはずっと続けたい」と意欲を見せた。

 だが、故障者続出のチームは4連敗で地区最下位。前年世界一チームが本拠地開幕で零敗を喫するのは60年ぶりの屈辱となった。ブルース・ボウチー監督も「1番がこれだけ出塁しているのに、得点があまりにも少ない」といらだちを隠せなかったが、青木については「ここまで素晴らしい貢献をしている」と信頼を寄せた。「打線が奮起して早めに点数を取ってあげたい」と意気込む新リードオフマンの孤軍奮闘は続く。

 ≪日本選手最長は開幕9戦連続≫青木は開幕から8試合連続安打。日本選手の最長記録は06年松井秀喜(ヤンキース)と、07年岩村明憲(デビルレイズ)がマークした9試合連続で、14日(日本時間15日)のロッキーズ戦で安打を打てば並ぶ。07年の岩村は、メジャーデビューからの連続試合安打の日本選手最長記録。イチローは05年(マリナーズ)の7試合連続安打が、開幕からでは最長。

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