マー君自ら解説 リリースの瞬間、力をゼロから一気に100%にする形

[ 2015年4月14日 09:00 ]

<ヤンキース・レッドソックス>田中が新フォームで一番意識しているポイント

ア・リーグ ヤンキース14―4レッドソックス

(4月12日 ニューヨーク)
 ツーシームに磨きをかけるなどメジャー2年目の投球スタイルに変化を求めているヤンキース・田中。その投球フォームも昨季から変わっている。その変化と意図を、連続写真に合わせて田中自らが解説した。

 昨季、右肘じん帯部分断裂で長期離脱を経験した田中。フォーム修正の理由は、右肘を含めた体への負担を減らすこともその一つだが、あくまで1年間、ローテーションを守り、結果を残すための体の動きを追求した結果の「形」である。

 「僕は常にいいものを求めている。“肘を痛めたからフォームを変える”ということはない。始動からリリースの瞬間に、力をゼロから一気に100%にするというのが理想。ゆったり見えるのであれば、それは僕にとってもいいこと」

 今季のフォームはゆったりしているのが特徴だ。その印象を生むのは左足の使い方で、爪先で地面を擦るように始動。昨季はより反動を使ってさっと素早く上げていたが、動きが小さくなり、膝下だけで反動をつけているように見える。

 「これは前(楽天時代)にもやっていたことがあります。やったり、やらなかったり。不要な力を入れないようにするには、そういう左足の使い方になる」

 動きが小さく、ゆっくり動くため、上体のブレが少ないまま軸足で立てる。この時のボールを持つグラブの位置も変わった。顔の前まで上がっていたグラブが胸の位置に下がり、体との距離が遠くなった。

 「腕をリラックスした状態にしようということは考えている。そういう意識でそうなった。リラックスしたポジションということですね」

 極力、力みを排除してリリースに向かう。上体の向きはほとんど変わらず体重移動している。そして、田中が一番意識しているポイントが、写真のトップの形だ。

 「これは凄く意識してやっている。次のリリースポイントにつながるところです。右肘を高い位置にして、右腕を縦振りに投げ下ろす」

 昨季は肩のラインと右肘がほぼ平行だが、今季は右肘の位置が明らかに高い。キャンプで安定した制球力を見せていたのは、始動から一連の動作の中で無駄な力みを取り、一定のフォームで投げることを意識してきた結果だった。それでも田中は最後にこう結んだ。

 「でも、これが続くとは限りません。シーズンが進んで投げていって、またいいと思ったら変わっていくでしょう」。

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