甲子園やっと初勝利や!鳥谷“読み勝ち”逆転弾で虎連敗脱出

[ 2015年4月13日 08:53 ]

<神・広>8回、逆転の2ランを放った鳥谷は雄叫び

セ・リーグ 阪神4-3広島

(4月12日 甲子園)
 胸に輝く「C」のマークが、阪神・鳥谷にはよく似合う。8回。今季1号、そして今季初打点を挙げる逆転2ランを放ち、頼れるキャプテンはゆっくりとダイヤモンドを一周した。今季、甲子園での初勝利。割れんばかりの大歓声も、この男にはよく似合った。

 「ボールは投げてこられないので球種に関係なく思い切りいこうと。(走者を)進めるというより、引っ張るところ」。読み勝ちだった。1点を追う8回無死一塁。2ボールと打者有利のカウントとなったところでマウンド上の中崎のところへ広島内野陣が集まった。走者はためられない場面。鳥谷はストライクだけに的を絞った。膝元の148キロ直球を腕を畳みながら引っ張り、右翼ポール際に運んだ。熟練の技と勝負度胸が生んだ会心の一撃だった。

 「3番は去年も打っていたし、違和感なくできた。勝利につながる打点を、と思っていた」。鳥谷の1番起用は、今季の打線で最大の目玉だった。だが、わずか14試合目で昨季までの3番に。打線がつながりを欠く中、和田監督は早くも勝負手を打った。負ければ甲子園で開幕から5連敗。1952年のフランチャイズ制以降では初の屈辱となる危機を脱し、チームの連敗も6で止まった。

 「熟考に熟考を重ねた結果、残留することを決意しました」――。早大時代からの夢だったメジャー移籍を断念し、阪神残留を発表したのは1月9日。「今までで一番悩んだ」という約2カ月間であらためて「野球人・鳥谷」の存在意義を自問自答した。答えは「阪神で優勝したい。阪神で(現役を)終われたら」。球団のチーム編成にも迷惑を掛けないよう、1月上旬に答えを出した。それが鳥谷の男気だった。

 「一番は甲子園で勝ててホッとしている。苦しい試合に勝てたのは大きい」。この日で1559試合出場。初代ミスター・タイガースの藤村富美男氏を抜いて球団史上8位となった。生涯阪神。その決意を甲子園のファンにあらためて示した、「残留1号」だった。

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2015年4月13日のニュース