松井裕 K斬り満塁救援!初またぎS“風格”5戦防御率0・00

[ 2015年4月11日 07:20 ]

<楽・オ>初またぎ!9回無死一、二塁のピンチもきっちり無失点に切り抜け3セーブ目を挙げた松井裕

パ・リーグ 楽天5-2オリックス

(4月10日 コボスタ宮城)
 頼もしい10代守護神だ!楽天・松井裕樹投手(19)は10日、オリックス戦で3点リードの8回2死満塁で登板。初の「イニングまたぎ」となったが、このピンチを空振り三振で切り抜けると、9回も抑え3セーブ目を挙げた。今季5試合の登板で防御率は依然0・00。チームを今季初の3連勝(引き分け挟む)に導いた左腕に守護神の風格が漂ってきた。

 吠えた息は白かった。降りしきる雨に加え、午後9時の仙台市の気温は8・9度。グラウンドコンディションは最悪といっていい状況でも、松井裕は守護神の役割をきっちりこなした。

 「(大久保)監督さんに“三振を取ってこい”と言われた。自分でつくったピンチではないので、ギアを上げるのは難しいが、気持ちをつくってマウンドに立った」

 3点リードの8回。3番手・クルーズの乱調により、2死満塁で出番が回ってきた。オリックス・ベンチはT―岡田に代えて、左キラーの竹原を代打に送った。一発出れば逆転の場面。初球140キロの直球が高めに浮いた。雨でぬかるんだマウンドで、制球が定まらない。1ボール2ストライクから4球目、5球目も高めに外れ、フルカウントになった。

 ボールになれば、押し出し。ここで勝負球に選んだのは代名詞のスライダーではなく、チェンジアップだった。外角低めに沈むボール球だったが、竹原のバットは空を切った。空振り三振。指令通りの結果に大久保監督も「3ボール2ストライクからチェンジアップで三振。サインを出した嶋も、投げきった松井裕もお見事」と絶賛した。

 1年目の昨季は四球で走者を出し、自滅するのがお決まりのパターンだった。だが、今はそんな姿はどこにもない。「去年、先発していた時に満塁でクルーズが抑えてくれた。その気持ちを引き継いだ」。先発を経験したからこそ、今なら後を継ぐ救援投手の大変さが分かる。9回は先頭から2者連続四球も併殺などで後続を断ち本拠地初セーブ。「(8回は)フルカウントになっても余裕があった。あの場面を切り抜けられたのが勝てた要因」と振り返った。

 2月のキャンプでチーム事情から救援に配置転換され、3月中旬にはミコライオの故障で守護神に指名された。それ以降、練習からより一層、緊張感を持つようになった。「チームの最後を締めるというのは、全責任を背負うということ」。どこで誰に見られていても恥じないように、日頃の言動や練習態度にも気を配った。強い自覚と覚悟を持つ19歳左腕に、大久保監督も「本当に成長した」と目を細めた。

 今季初めて「イニングまたぎ」を経験。そして無失点でセーブを手にした。「抑えはゼロに抑えてチームが勝つことが大事」。最終回のマウンドを守る。その責任感が松井裕にさらなる成長をもたらしていく。

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