早実に怪物!清宮Jr 入学3日で3番先発V打デビュー スカウト驚嘆

[ 2015年4月10日 05:51 ]

<早実・駒大高>6回1死満塁、決勝の左前適時打を放つ早実・清宮

春季高校野球東京都大会3回戦 早実10―8駒大高

(4月9日 立川)
 「和製ベーブ・ルース」が大物感十分の高校野球デビューを飾った。6日に早実に入学した清宮幸太郎内野手(1年)が9日、春季高校野球東京都大会3回戦の駒大高戦に「3番・一塁」のスタメンで公式戦初出場。父でラグビートップリーグ・ヤマハ発動機の清宮克幸監督(47)も見守る中、6回に決勝打を放った。リトルリーグ時代の世界一で話題を呼んだ少年は、1メートル84、97キロの堂々たる体で名門野球部入り。スター街道を突き進む。

 桜舞う立川球場で、背番号「19」の怪物・清宮がベールを脱いだ。ただのデビューではない。いきなりの勝利を呼ぶ一打だ。6回、同点に追いつき、なおも1死満塁。初球の内角スライダーを叩くと、地をはうような鋭い打球に相手の遊撃手は一歩も動けなかった。左前への決勝打。それでも「打ち損じ。納得いかない」と言い、球種はスライダーだったか?との問いに「うーん…曲がるヤツです。引っ張ればよかった」と悔しがった。

 新1年生の登録は入学式後からという規定に従い、早実は最大20人のところ18人を登録して4日の初戦(2回戦)、立教池袋戦を突破。6日の式の終了を受け、清宮と1年生右腕・服部を追加登録して夏のシード権をかけた一戦に臨んだ。

 注目ルーキーのデビューにテレビ局3社など30人の報道陣が集まった。ラグビーの名FWだった父譲りの豊かな体格で悠然と打席で構える姿は、まさに威風堂々。4打数1安打1打点に「自分のスイングができなかった」と言いつつも、一塁守備も難なくこなしてフル出場し「良い経験だった。高校はこんな雰囲気なんだとつかめた」と笑顔で振り返った。

 13歳ですでに体重90キロ超、東京北砂リトル時代は通算132本塁打を記録。中1夏に米国で開催されたリトルリーグ世界選手権では東京北砂リトルのエースとして出場し優勝した。打っては通算5試合12打数8安打で打率・667、3本塁打、投手でも2試合2勝0敗15奪三振。大会史上最長94メートル弾を放つなど日本人離れした存在感に米メディアは伝説の大打者、ベーブ・ルースになぞらえた特集を組み、当時ヤンキース所属だったイチローが対面した際には、その大きさで驚かせた。国内4球団が視察に訪れ、オリックス・早川大輔スカウトは「1年生の体格じゃない」と規格外のスケールに舌を巻いた。

 早実初等部1年の06年夏、甲子園決勝再試合・早実―駒大苫小牧を観戦したことが野球を始めるきっかけだった。「このユニホームは憧れだったので。うれしい気持ちでいっぱい」とこの時ばかりは15歳の素顔がのぞいた。夢は「日本を代表するスラッガー」。野球が正式競技復活を目指す2020年東京五輪では21歳。日本球界の未来を背負える逸材から目が離せない。

 ◆清宮 幸太郎(きよみや・こうたろう)1999年(平11)5月25日生まれ、東京都出身の15歳。早実初等部4年から東京北砂リトルに所属。早実中1年だった12年夏にリトルリーグ世界選手権に出場し「3番・投手」で世界一を達成。その後、調布リトルシニアに所属し一塁手に専念した。家族は両親と弟。1 メートル84、97キロ。右投げ左打ち。

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