3安打の青木 4年目で初、左手袋外した「感覚を研ぎ澄ますため」

[ 2015年4月10日 05:30 ]

<ダイヤモンドバックス・ジャイアンツ>5回、左中間に適時二塁打を放つ青木(AP)

ナ・リーグ ジャイアンツ5―2ダイヤモンドバックス

(4月8日 フェニックス)
 ジャイアンツの青木宣親外野手(33)が8日(日本時間9日)、ダイヤモンドバックス戦で今季初の3安打をマーク。新天地でリードオフマンとして開幕カードを2勝1敗の勝ち越しに導いた。2回に今季初打点となる左中間への同点二塁打を放つと、開幕戦に続いて決勝のホームを踏んだ。公式戦では初めて左手の革手袋を外して臨み、その左手の「押し」を生かして逆方向へ鋭い当たりを連発した。

 素手の左手でグイと押し込んだ。1点を先制され、迎えた2回2死二塁。青木は右腕ヘリクソンの外角へ逃げる91マイル(約147キロ)ツーシームを捉えた。鋭い打球が遊撃手の右を抜け、一気に左中間最深部まで到達。同点二塁打に控えめなガッツポーズをし「イメージしたままプレーに出せている。今までと変えたところがいい方向にいっている」とうなずいた。

 続くダフィーの二塁打で、開幕戦に続く決勝のホームを踏んだ。初回の変化球を捉えた左前打に、8回にも右前打で移籍初の3安打をマーク。「開幕3試合目でこういういい結果が出た。調整がうまくいったかなと思う」と、ここまで14打数6安打、打率・429の好調な打撃を振り返った。

 メジャー4年目で初めて、公式戦で左手に革手袋を着けず、素手で臨んだ。キャンプ前半に「左手の感覚を研ぎ澄ますため」と試しており、この日は気温20度を超える暖かさだったことで初めて取り入れた。課題に挙げる長打力アップにも、持ち前の逆方向への打撃にも、左手の押し込みは必要不可欠。実際今季の6安打中4本が中堅から逆方向だ。前日の左越え二塁打を含め、長打はいずれも左翼方向への力強い打球で「左手の使い方が良くなった感じはある」と効果を実感している。

 チームは主砲ペンスが骨折で不在な上に、正一塁手ベルトも前日に右脚付け根を痛め欠場。攻撃力低下が懸念される中、四球を含めて5打席で4出塁の1番打者に、ブルース・ボウチー監督も「青木が何度も出塁してくれた。彼の働きで序盤に点を取り返せたのが大きい」と目を細めた。

 「いい滑り出しだが、シーズンは長い。毎日リセットして切り替えてやる必要がある」と冷静に前を向く青木。素手で逆方向に快音を連発。これがフレミングならぬ、青木の「左手の法則」だ。

 ≪自己最速タイ≫開幕3試合目での3安打マークは、ロイヤルズに在籍した昨季(4月4日ホワイトソックス戦)と並び自己最速タイ。ブルワーズ時代の12年は32試合目、13年は6試合目だった。青木のメジャーでの1試合3安打以上は、通算31度目(12年9度、13年14度、14年7度)。4安打は過去4試合で記録しており、13、14年に2度ずつ。

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