頭部死球たんこぶ何の!ヤク田中浩延長10回劇打、7連勝中日止めた

[ 2015年4月9日 07:30 ]

<ヤ・中>10回2死満塁、サヨナラ左前適時打を放った田中浩(右)は真中監督とハイタッチで喜び合う

セ・リーグ ヤクルト2-1中日

(4月8日 神宮)
 殊勲のヒーローを一塁ベンチ前で出迎えるヤクルト・真中監督の顔に笑みが広がった。就任後初の劇勝。気温3度の寒空の中で「サヨナラ勝ちまで頭が回らないよ。勝ってホッとした」と息を吐いた。

 緊迫した投手戦は7回に1点を奪われた。今季の5敗は全て1点差負け。前日も大野の前に零敗を喫した。嫌な予感がよぎる中、8回に代打・森岡の中前打で同点。延長10回2死満塁で田中浩が左前打で試合を決めた。お立ち台では「またここに立てるかな、と思っていたのでうれしい」と感慨にふけった。

 プロ11年目。二塁手でベストナイン2度、ゴールデングラブ1度を獲得も、昨季は台頭した山田に定位置を奪われ77試合の出場。オフにFA権を行使せず残留を決めると、就任した真中監督から外野手挑戦を打診された。「新しいことにチャレンジさせてもらっていることが僕の支え」と11月の秋季練習から必死に外野で打球を追った姿に、指揮官も「文句ひとつ言わずにひたむきにやる姿勢は若い選手のお手本」と目を細める。バレンティン、ミレッジ不在というチーム事情もあるが、今季先発出場6試合は全て外野。「仕事をもらっているので意気に感じている」と躍動している。

 4日のDeNA戦(横浜)では頭部に死球を受けて交代。翌日は欠場も、7日から再びスタメンに名を連ねる。「その話はしたくない。乗り越えないと」と多くを語らないが、いまも後頭部にはたんこぶが残る。それでも「試合に出ることが当たり前と思っていない。必死にいきたい」。ガムシャラに勝負のシーズンを進む32歳を、指揮官は「芯の強い子」と評した。男気あふれる背番号7が中日の連勝を7で止め、チームを借金生活の危機から救った。

 ≪投手陣好調!防御率1・45≫ヤクルトが延長10回の末2―1で今季初のサヨナラ勝ち。昨季2勝10敗3分けと苦手だった延長戦で今季開幕2連勝とした。これでヤクルトは今季全11試合が3失点以下。2リーグ制以降、開幕から11試合連続3失点以下は56年西鉄の13試合に次ぎ、同年阪急の11試合と並ぶ2位タイ。セでは61年中日の10試合を抜いて最多となった。昨季両リーグワーストの防御率4・62だった投手陣が、今季は両リーグトップの1・45と好調を維持している。

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