マー君“技巧派”開幕 右肘負担軽減へ打たせて取る

[ 2015年4月6日 06:28 ]

ヤンキースの田中(AP)

 ヤンキースの田中将大投手(26)は6日(日本時間7日午前2時5分開始予定)に本拠地ヤンキースタジアムで行われるブルージェイズとの開幕戦に先発する。メジャー2年目は昨季にじん帯を部分断裂した右肘の負担を考慮し、ツーシームを投球の主体とする新たなアプローチで現状のベストを探る。日本人4人目となる開幕投手の大役も「ありのまま」で受け入れ、チームにもたらす1勝目を誓った。大リーグは5日(同6日)、カブス―カージナルスの1試合で公式戦が始まる。

 タイの尾頭付きや赤飯で開幕出陣する選手が一般的な中で、田中家の食卓は「通常運転」だという。「(普段通り)オムライスになるかな」。料理上手のまい夫人が腕を振るう大好物。登板前の定番メニューを味わい、自然体で家を出る。

 オープン戦最後の遠征地ワシントンで開幕戦への意気込みを問われ、心持ちを語った。「独特の雰囲気はもちろんあると思う。自分でもそういったものを感じるのは初めてで分からないけど、必ずある」。緊張する、ということは織り込み済み。そのうえで「今年、このチームで(開幕戦の雰囲気を)感じられるのは僕だけ。日本人でも4人目ということなので。いろいろ感じられたらいい」と言った。構えるのではなく、ありのままに空気を感じるつもりだ。

 投球スタイルも、今のありのままを見せる。昨 季途中に右肘を故障し、2カ月以上も戦列を離れたことから調整は慎重に進められた。少ない投球数でできるだけ長いイニングを投げるため、打たせて取る投球を目指す。軸に据える球は打者の手元で微妙に変化するツーシーム。「三振が欲しいところは狙っていくけど(打者が)早く打って、アウトを取れることが一番いい」と説明した。肘の状態を疑問視する声を黙らせるには剛球、三振は手っ取り早いが、田中は「自分は先に進んでいる」と新たな己を信じてマウンドに上がる。

 開幕戦の最高の結果を問われると考え抜いた末に答えた。「寝て起きたらシーズンが終わってたらいいですね。でも無理でしょ。現実離れしたことは考えたくない。チームがやりたい野球をやって開幕を飾れるのが一番いい」。15年のスタート。エースとして、理想の勝利の先頭に立つ。

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