大谷でハム単独首位!初回2失点から修正、変化球中心で2勝目

[ 2015年4月5日 05:54 ]

<オ・日>7回2死一、三塁、大谷は同点適時打のハーミッダに向かってガッツポーズ

パ・リーグ 日本ハム4-2オリックス

(4月4日 京セラD)
 オリックスファンは黙り込むしかない。序盤の力みが消え、最速159キロの剛球をコースに投げ続ける日本ハム・大谷を打ち崩すことは不可能に近かった。

 「最初、バタバタしたけど、粘っていればチャンスがあると思った。打線の調子が良いし、本当に感謝したい」

 チームを昨年4月2日以来の単独首位に立たせた7回6安打2失点、11奪三振の快投。ただ、序盤は思い切り苦しんだ。初回。1死満塁からT―岡田に158キロ直球を中前へ運ばれ坂口にも156キロ直球を中犠飛とされた。「真っすぐで(投球フォームの)タイミングを取ることができなかった」。ストライクを欲しがったゆえの直球攻めが裏目に出た2失点だったが高い修正能力で3年目の成長を見せた。

 2回終了後にベンチで捕手・近藤と話し合い、変化球中心の配球に変更。1、2回で投じた直球の割合は81%を占めたが、3回以降は46%にまで減らした。縦に落ちるカーブを多投することで、横振りになっていた体の軸を縦回転に修正。見違えるような制球を取り戻した。ストライク先行になったことで3回からは1イニング平均球数13・8球と省エネ投球を披露。野手に良いリズムを生みだし、逆転劇につなげた。

 大谷の進化は投球フォームにも表れた。栗山監督は言う。「だいぶバックステップが消えてきたね。彼は特別なことをする必要はないんだ。相手じゃない。少しずつ、一歩ずつ良くなっていけば」。バックステップとは前に踏み出した左足を後方に蹴り戻す力を利用して右腕の振りを加速させるもの。昨年はプロ野球最速に並ぶ162キロも記録したが、より速い球が投げられる半面、軸の安定を欠いて制球がばらつきやすかった。

 理想は踏み込んだ左足を動かすことなく、しっかりと体重を乗せて腕が振れること。強化した下半身が上半身のパワーに追いつくようになり、新しいイメージができてきた。「悪癖」が薄れ、同じ剛速球でも、確度は着実に増している。

 開幕2連勝のエースであるとともに、打者の顔を持つ。「次は何とか打席の中で勝利に貢献したい」。チームを勝たせることが自らの使命だと、誰よりも分かっている。

 ≪大谷が史上3人目≫大谷(日)が開幕戦に続き今季2勝目を挙げた。1、2年目も初登板から2連勝。高卒1年目から3年以上の連続開幕2連勝はドラフト制以降では66~71年の堀内(巨)と鈴木(近)しかおらず、大谷が3人目になった。この日は自身通算7度目の2桁となる11三振。今季17奪三振は開幕3カード目ながら両リーグ最多だ。オリックス戦は通算4度目の登板で4勝目。昨年CSも含めると5戦5勝と抜群の相性を誇る。

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