グリエルに振り回された現場…必要か否かフロントと温度差

[ 2015年4月3日 10:32 ]

DeNAとの契約が解除されたY・グリエル

 Y・グリエルへの契約解除というDeNAの判断は賢明だと思う。高田GMの言う通り、完治不明の故障を理由に来日のメドが立たないのでは現場の士気に影響する。だが、見過ごしてはいけない問題がある。今回の騒動にあきれている首脳陣や選手は多い。戦力を預かる現場を振り回した後味の悪い結末。責任の所在を明確にするべきだ。

 話はさかのぼって13年12月。池田純球団社長がキューバを訪れた際に政府、球界関係者から選手の獲得を打診され、帰国後にY・グリエルをリストアップ。昨年5月に電撃入団した。身体能力の高さに加え、人気抜群で集客力もある。しかし、総額5億円という破格の大金で再契約したにもかかわらず、現場とは温度差があった。球団関係者は「いつ来るかも分からないし、昨年も度重なる故障で戦線離脱した。必要不可欠な選手という認識でない」と話す。

 昨季、偏食のY・グリエルに配慮して、球場内の食堂や遠征先のホテルではキューバ料理を常時用意した。「グリエルは特別だから」と複雑な表情を浮かべる選手もいた。今季はオープン戦から好調。Y・グリエルが来日を拒否した際もチーム内に落胆の雰囲気はなかった。本当に必要な選手だったのか。スーパースターの獲得は称賛されてしかるべきだが、チームに不可欠な戦力であることが大前提。現場の足を引っ張っては本末転倒だ。

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