鳥谷「新1番」かき回す!和田監督30盗塁指令に“ノッた”

[ 2015年3月27日 05:30 ]

開幕を前に笑顔で練習に臨む鳥谷

セ・リーグ 阪神―中日

(3月27日 京セラD)
 足でもかき回す! 今季は1番を任される阪神・鳥谷敬内野手(33)が、セ、パ両リーグ同時開幕を前日に控えた26日に決意表明。走塁面ではこれまで以上にアグレッシブな姿勢で臨む考えを明かした。オープン戦では打率・326を残すなど打撃も好調。2015年版の超攻撃型打線を文字通りけん引する。

 静かな口調の中にも、強い決意をにじませていた。プロ12年目。百戦錬磨の鳥谷にとって、開幕戦も「143分の1」でしかない。ただ、それとは別に、今季にかける思いはある。和田監督から新たに与えられた、1番打者という役割。2015年版の超攻撃型打線を引っ張るキャプテンは、従来以上に足でもチームに貢献する。

 「(1番になって)バッティングのスタイルを変えることはないですが、足でもかき回せるようにやっていきたい。そのためにもしっかりと出塁したい」

 これまでは3番打者というチーム事情があり、盗塁の企図数そのものが少なかった。ただ、脚力と走塁に関するセンス、判断力はチーム随一。和田監督もキャンプ終了時にはシーズン100盗塁を目標に掲げ、鳥谷にも30盗塁をノルマとした。これまでのシーズン最多は16盗塁だったが、数字を増やすことは十分に可能と言える。

 足を使った攻撃は、盗塁だけではない。オープン戦から鳥谷出塁時には、2番・上本とのヒットエンドランを試みる場面が多く見られた。試合序盤から積極走塁を仕掛けることで、相手バッテリーに重圧を与えることができる。鳥谷を軸としたアグレッシブな走塁は、新打線の目玉でもある。

 「開幕に特別な思いはありませんが、チームとしていいスタートを切って優勝できるようにやっていきたい」

 球団創設80周年となる節目の1年は、鳥谷にとっても新たな心境で臨む1年となる。昨オフは権利取得から3年目にして、初めて海外フリーエージェント(FA)権を行使。早大時代から憧れていたメジャー移籍か残留かで、2カ月間悩み抜いた。それでも最終的に残留を決意したのは、リーグ優勝&日本一という目標があったから。野球人生における最大の決断を下したことで、勝利に対する執着心はより大きなものとなった。

 「オープン戦を通じていい調整をできたと思います」

 今春の実戦ではコンスタントに安打を打ち続け、オープン戦打率も・326を残した。打撃面でも万全の調整を施した背番号1。Vへの旅路は、鳥谷のフルスイングからスタートする。

 ≪“大台”は09年赤星が最後≫阪神のシーズン100盗塁以上は70年以降では82年の103、リーグ優勝した03年の115の2度。最多は54年の205がある。昨季は92度の企図で成功55、失敗37の成功率・598。成功率が6割を切ったのは最下位に終わった00年の・530以来だった。なお個人のシーズン盗塁数チーム最多は04年赤星の64。30盗塁以上は赤星が現役最終年の09年に31をマークして以降出ていない。

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