マー君使える!遅スラ 右肘への負担軽減&持ち球に緩急

[ 2015年3月27日 05:30 ]

<ヤンキース・メッツ>4回2/3を4安打3失点だった田中(AP)

オープン戦 ヤンキース2―7メッツ

(3月25日 タンパ)
 開幕投手が決定的となっているヤンキース・田中将大投手(26)が25日(日本時間26日)、メッツ戦に先発。オープン戦3度目の登板は、今季初めて被本塁打を記録するなど4回2/3を4安打3失点(自責点2)で敗戦投手となったが、これまでより10キロ程度遅い低速スライダーを披露。ツーシームの多投に加えて、メジャー2年目の投球スタイルが徐々に明確になってきた。

 隠し持っていた武器を惜しみなく解禁した。曲がりながら、やや縦軌道を描くスライダー。122~127キロで決まる“新球種”に、田中は手応えを口にした。

 「ただハードに投げていないだけ。それだけ、腕を思い切って振って投げたら腕に対する負担が大きい、ということ」

 初回1死一塁で4番のメイベリー。2ストライクから127キロのスライダーで1つ目の空振り三振を奪った。本来、田中のスライダーは130キロ台後半の高速スライダー。前回登板だった18日のブレーブス戦でも8球投じ、最速137キロ。135キロ超が半数の4球、130キロを下回ったのは129キロの1球だけだった。だが、この日は17球のスライダーで135キロを超えたのは1球のみで、12球が120キロ台。「(高速スライダーはもうシーズンでは)投げないと思います、ほぼ。別に曲がっているからいい」と今後は低速スライダーを多用する意向だ。

 狙いは大きく2つ。昨年に痛めた右肘を含めた体への負担軽減。さらに120キロ前後のカーブ、130キロ台後半のスプリット、カットボール、140キロ台後半の直球系という持ち球に、新たなスピード帯を生むことだ。

 今後は31日(日本時間4月1日)のツインズ戦でオープン戦最終登板。その後、中5日で4月6日(同7日)のブルージェイズ戦で初の開幕投手を務めることが決定的だ。ツーシームを多投する配球はこの日も効果があった。2回は先頭に安打された後を併殺に仕留めて7球で終え、3回はわずか8球で3者凡退。ジョー・ジラルディ監督も「非常に良かった。開幕直後は90球程度かもしれないが問題ない」と評した。

 それにしても、田中の引き出しの多さには驚かされるばかり。「過去2登板と比べても一番、良かった。気持ち的な部分だったり、試合で投げてるなという感じがかなりした」。メジャー2年目の調整は最終段階に差しかかっている。

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