裏金問題影響なし!大阪桐蔭3度目光星撃破 打線湿ってもエース完投

[ 2015年3月27日 05:30 ]

<大阪桐蔭・八戸学院光星>7回2死一塁、小林を空振り三振を奪い雄叫びを上げる大阪桐蔭・田中

第87回センバツ高校野球第6日・2回戦 大阪桐蔭4―1八戸学院光星

(3月26日 甲子園)
 1回戦1試合と2回戦2試合が行われた。2回戦では史上5校目の夏春連覇を狙う大阪桐蔭が、12年の春と夏決勝で破った八戸学院光星(青森)と対戦。エース左腕の田中誠也投手(3年)が3安打1失点8奪三振で完投し、優勝した12年以来で一番乗りとなるベスト8入りを決めた。同じく2回戦の常総学院(茨城)も荒原祐貴外野手(3年)が初回に県勢初の満塁本塁打を放ち、今治西(愛媛)に8―1で快勝。両校は29日の準々決勝で激突する。

 看板の強力打線が4安打と湿っても、大阪桐蔭は強い。散発3安打1失点。エース左腕・田中が12年の春と夏の決勝の雪辱を期した八戸学院光星を返り討ちにした。1回戦・東海大菅生戦の完封に続き、2試合連続完投勝利。「打たせて取ることができた。1回戦よりも自分の投球ができた」と満足げにほほ笑んだ。

 初回に味方が先制した2点で援護は十分だった。相手の映像を見て「長打が多いが、大振りしている。変化球でかわそう」と捕手の谷口と確認し、丁寧に低めを突いた。打者の手元で大きく曲がるスライダー、フォークを自在に操り、8三振のうち7つを空振りで奪った。7回までは二塁さえ踏ませなかった。4―0で迎えた8回は味方の失策もあり今大会初めて得点を許したが、流れを渡すことはなかった。

 奈良の生駒ボーイズ出身。八戸学院光星の2番・加角、3番・足立、5番・中崎は当時のチームメートだった。1安打ずつを許し「全員に打たれて悔しい」と振り返ったが、長打は許さず、他の打者には1本も打たせなかった。3人とは年末年始に帰省した際「ラウンドワン」でボウリングをした。突然照明が消え、一斉投球する「ムーンライトストライクゲーム」で圧勝。「ボウリングもコントロールの良さを見せました」と胸を張り、この日はマウンドで抜群の制球力を見せつけた。「ビビリ」の汚名も返上。中崎は「中学時代は打つチームに腕が振れなかったけど、内角へズバズバ来た。メンタルが強くなった」と感心した。

 学校の裏金問題が発覚。前日のミーティングで西谷浩一監督は選手に状況を説明した上で「いろいろ騒がれているが、野球に集中してやろう」とナインに呼びかけた。有友茂史部長は「子供たちは集中してくれた」と話し、プレーに影響はなかったという。史上5校目の夏春連覇まであと3勝。田中は「まだ実感はない」というが、危なげない試合運びは偉業の達成を予感させる。

 ▼大阪桐蔭・青柳(裏金問題に)僕たちにできることは野球に集中することだけ。一生懸命やりたい。

 ▼阪神・藤浪(12年度卒)(裏金問題で)ごちゃごちゃした中で集中してよくやってくれた。優勝して、お祝いに行かせてもらえるようにしてほしい。

 ▼西武・森(13年度卒)このまま優勝目指して頑張ってほしい。夏春連覇は意識せずに、自分たちの野球をしてもらいたい。

 ≪西谷監督勝率トップに≫大阪桐蔭の西谷監督はこの日の勝利で甲子園大会監督通算35勝(6敗)とし、箕島(和歌山)で4度優勝の故尾藤公氏と並び9位となった。勝率は.854となり、通算20勝以上ではPL学園(大阪)を6度優勝に導いた中村順司氏の.853を上回り、トップに立った。

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