松山東 選抜82年ぶり勝利 82歳日本一メンバーも歓喜「強敵相手に臆せず頑張った」

[ 2015年3月25日 18:57 ]

大応援団に勝利の報告をする松山東ナイン

 82年ぶりの春の舞台で味わう初勝利は、格別だった。第87回選抜高校野球大会第5日は25日、兵庫県西宮市の甲子園球場で行われ、1933年以来2度目の出場となった松山東(愛媛)が5―4で二松学舎大付(東京)に競り勝つと、満員のアルプス席で緑のメガホンが揺れた。歓声はやまず、涙も流れた。

 歓喜に沸く中に、かつて日本一に輝いたOBがいた。松山商と一時、統合していた時代の50年に夏の全国選手権大会を制した82歳の吉井達夫さんと大川彰さん。孫ほども年の離れた選手の勝利を見届けた吉井さんは「生きているうちに、甲子園で後輩を応援できるとは。強敵相手に臆せず頑張った」と感無量の表情で拍手を続けた。

 65年前の夏は、今でも鮮明に覚えている。川崎市から駆けつけた吉井さんが「大川が同点打を打って、私が決勝打だった」と初戦を振り返ると、松山市在住の大川さんも「あれがなかったら優勝できていなかった。とても印象に残っている」と笑った。長い空白を経て、伝統校が聖地で再び輝いた。

 正岡子規が1892年の野球部創部に関わったとされ、夏目漱石が教壇に立つなど連綿と続く同校の歴史に、新たなページが刻まれた。それでも、まだ1勝。米田圭佑主将は「先輩と肩を並べるにはまだまだ。まずは一つだけ近づいた」と先を見据えた。

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2015年3月25日のニュース