ピンストライプの絆…松井氏&ジーター氏 夢のサプライズ弾

[ 2015年3月22日 05:30 ]

本塁打競争で、松井氏はジーター氏(右奥)の目の前で特大の本塁打を放つ

「トモダチ チャリティベースボール」

(3月21日 東京ドーム)
 最後の最後にサプライズが待っていた。松井氏はマイクを手に「こんなにお客さんも来ていただいたので、僕が打ちます」と宣言して打席へ向かう。一塁と右翼への平凡な飛球の後の3スイング目だ。鋭い打球が右翼ポール際へ。松井氏も両手を上げ、打った瞬間に確信。力強いホームランで、とびきりの笑顔を咲かせた。

 「右翼席に最短距離で飛ばせた。あれ以上ない打撃でしたね」。巨人時代に庭としていた東京ドームでは、ヤンキース時代の日本開幕シリーズの04年3月31日デビルレイズ戦以来、実に4007日ぶりのゴジラ弾。ジーター氏とハイタッチし、熱い抱擁を交わした。

 当初予定されていた両氏の本塁打競争は「子供を主役にしたい」との2人の提案により、急きょ、松井監督率いる「東北3県中学生選抜」と、ジーター監督率いる「在日米国ジュニアユース選抜」の代表5選手による本塁打競争に変わった。子供たちを主役に立てながら、ファンにも応える。夢のアーチは十分すぎる贈り物だった。

 「子供たち、そしてジーターが素晴らしい日を過ごせたなら、それが僕には一番幸せです」。今回のイベントには計画段階から関わってきた。震災当初は言葉にすることもできなかった。だが、極限状況下で懸命に生活する人の姿を報道で目にし「力になれないからといって距離を置くのでなく、苦しんでいる人のことを常に頭に入れて行動するべきだ」と心は動いた。12年限りで引退し「プレーで見せると言えない。言葉の比重が高まった」という立場の変化も今回の活動の後押しとなった。

 小学生500人を対象にした野球教室。そして東北3県中学生選抜を監督として率いた試合も2―0で勝利した。本塁打競争も「チーム松井」が勝利。だが、勝敗を超えて常に笑顔の両氏の先に、被災地の子供たちがいた。

 松井氏 支援は日がたつと忘れられがち。そうならないように、今回は大きな行事になったと思う

 ジーター氏 子供たちがたっぷり楽しんでくれたなら良かった

 被災地の子供たちは計り知れないエネルギーをもらい、その力を胸に日常に戻る。

続きを表示

この記事のフォト

「第101回(2019年)全国高校野球選手権」特集記事

「稲村亜美」特集記事

2015年3月22日のニュース