イチロー“ボルト級”電撃走!三塁ゴロの間に一塁→一気三塁

[ 2015年3月21日 05:30 ]

ブレーブス戦の6回、適時二塁打を放ち二塁へ向かうマーリンズのイチロー

オープン戦 マーリンズ3―6ブレーブス

(3月19日 オーランド)
 驚異の脚力だ。マーリンズのイチロー外野手(41)が19日(日本時間20日)、ブレーブス戦に「6番・右翼」で出場し、3打数2安打1打点。オープン戦10試合目にして初のマルチ安打。さらに攻撃的な走塁を披露。2回、一塁走者として三ゴロの間に一気に三塁まで進塁してみせた。今季から男子100メートルの世界記録保持者・ウサイン・ボルト(28)の走りを再現した「ビモロスパイク」を使用。ニュースパイクで走力を向上させている。

 勇猛果敢だ。2回1死一塁。一塁走者のイチローはフルカウントとなり、自動的にスタートを切った。ソラノのゴロを三塁手が一塁に送球する間、そのままスピードを緩めることなく、二塁ベースを蹴った。一塁手も素早く反応したが、三塁への送球は間に合わない。41歳のスライディングが鮮やかに決まった。

 一瞬の隙を突いた好走塁。ただ、イチローは「僕はあんなプレーはめったにしないですから」と一蹴し、「アウトになってもセーフになってもタイミングを計りたかった」と続けた。オープン戦で走塁の感覚をつかむため、三塁まで走った。今季のテーマとして走力の向上を掲げているからだ。

 今季から履くビモロスパイクの存在がある。鳥取県にあるスポーツジム「ワールドウィング」が開発したもので、小山裕史代表は「イメージしたのはボルトの走り」と100メートル9秒58の世界記録を持つウサイン・ボルトの名を挙げる。ボルトは薬指から着地して母指球(親指付け根の膨らんだ部分)に力を伝えることで歩幅を伸ばす。このスパイクはボルトの走りを再現。国際特許を取得したソールは薬指から着地する仕様になっている。

 しかも、片足270グラムの超軽量だ。小山代表は「塁間で言えば、左足到達が右足に変わるくらい」と表現。27・431メートルの塁間で、歩幅が一歩分少なくなるということだ。「僕の走りを再現するために作られたようなもの」とイチロー。まさにボルト級の走りだ。

 打ってから一塁までの到達タイムは、メジャートップクラスの3・7秒。この日、一塁から三塁まで7・2秒で到達していた。気温30度。「こんな暑い中で走りたくない。楽しくないよ」と苦笑いしつつ、「まだ体がイメージについていけない」と冷静に分析した。ニュースパイクが体になじむまで、実戦での走塁が必要と感じている。

 調整段階。とはいえ、この速さだ。新加入したチーム最年長の走力に同僚たちは声をそろえて「41歳のプレーとは思えない」と驚き、ベンチで出迎えた。イチローも「いい結果を出した時にいい感じで迎えてくれる。凄く気持ちがいい」と満面の笑みだ。6回には左中間適時二塁打を放ち、オープン戦10試合目で初の2安打をマーク。打率も3割(・308)に乗せ、2得点を挙げた。

 41歳は外野4番手の立場からアピールを続ける。衰えない脚力。「ボルト仕様」のビモロスパイクも加わったことで、得点を挙げる機会も増えるだろう。日米通算ながら、王貞治が持つ日本記録の1967得点まであと6。メジャー15年目のシーズンで最初の目標となる。

 ▽ビモロスパイク 「ワールドウィングエンタープライズ社」の代表でトレーナーの小山裕史氏が開発。同社のアドバイザリースタッフの中日・山本昌の意見も参考にして作られ、山本昌は13年から使用。一般的なスパイクの歯が6本や9本なのに対し、同スパイクは13本でバランス性や瞬発力などを高める。靴裏の3本のライン「ビモロバー」は、7カ国で国際特許を取得。今季からジャイアンツ・青木にも用具提供している。

 ▼マーリンズ・マイク・レドモンド監督 イチローはいい日だった。ヒットも打ったし、ナイスランニング。

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