阪神ゴメス「100%に近い」 お待たせ1号、あと8日開幕へ景気づけ

[ 2015年3月19日 05:30 ]

<ヤ・神>2回無死、左越えソロ本塁打のゴメス(右)は山脇外野守備走塁コーチに迎えられる

練習試合 阪神1―6ヤクルト

(3月18日 神宮)
 阪神のマウロ・ゴメス内野手(30)が18日、ヤクルトとの無観客での練習試合(神宮)に「4番・一塁」で先発出場し左翼ポール際に「今春1号」となるソロ本塁打を放った。左脇腹の張りで調整が遅れていたが、相性のいい舞台における、豪快なひと振りで周囲の不安を払しょくした。27日のシーズン開幕まであと8日。猛虎の主砲がギアチェンジした。

 「お得意様」相手に、ゴメスが開幕へ向けた景気づけの一発を放った。0―0の2回無死、カウント1ボールからヤクルト先発・石山の135キロ変化球をとらえた打球は、乾いた打球音だけを残し誰もいない左翼ポール際へと吸い込まれた。

 「フォークかシュートか、内寄りのボール。ラッキーだったから、あそこまで飛んでくれた。打席の中での感覚は悪くない。ボールは見えている状態なので、開幕に向けて続けていくだけだよ」

 左脇腹の張りで調整が遅れていたが、15日のDeNAとのオープン戦で実戦復帰し即適時打を放った。前日17日のDeNA戦では6日の西武戦以来となる一塁での先発。そして、実戦復帰3試合目となるこの日は待望の一発と、シーズンの開幕に合わせるように着実に階段を上っている。

 故郷のドミニカ共和国でパスポートの盗難被害に遭って来日が遅れるなど不安要素が消えなかったが、ここに来て上昇ムードに転じた。和田監督も「体に近いところだったけど、いいバットの出方をしていた。ボールもよく見えている。あとは体のキレだけ」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 来日1年目の昨季、ヤクルト戦では打率・376、24打点(ともに球団別最多)に4本塁打をマーク。球場別でも神宮は自己最高となる打率・362を記録している。今季はさらにマークが厳しくなることが予想されるが「自分としては毎試合、毎打席、ベストを尽くしてチームの勝利に貢献するだけ。去年がどうだったかは意識せず、自分の仕事に集中するだけだと思う」と、一からを強調した。

 ちょうど1年前の3月18日、この日と同じ神宮での無観客試合で「1軍デビュー」を果たし内野安打2本の全力疾走を見せ、不安を抱えていた右膝裏の完治を証明しシーズンの活躍へとつなげた。そして、この日は本塁打という最高の結果。「結果は意識していない。しっかり打席でボールが見られて、タイミングをとれたら、と思っている。それを続けたら開幕に向けていい準備ができていくと思う。(もう)100%に近い状態にあるよ」。白い歯を見せたG砲の表情には自信がみなぎっていた。

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