ジーター氏「退場初めて経験するかも」“トシヨリ”松井氏と漫才会見

[ 2015年3月19日 05:30 ]

　ヤンキースで活躍した松井秀喜氏（４０＝ＧＭ特別アドバイザー）とデレク・ジーター氏（４０）が１８日、東日本大震災の被災者を支援する慈善イベント「トモダチチャリティベースボールゲーム」（２１日・東京ドーム）に向け、都内のホテルで会見を行った。当日は両氏が中学生のチームの指揮を執り、対戦する。日米最強のトモダチコンビは「笑顔」、「楽しむ」というキーワードをそろって何度も口にし、東北に笑顔を届けることを固く誓い合った。

　松井氏の第一声は興奮気味だった。ジーター氏の来日は０４年に日本で開催された大リーグ開幕戦以来、実に１１年ぶりで「ここにジーターがいるという、その事実だけでも凄いことだと思います」。東日本大震災から４年が経過したが、今も残る深い傷痕。ニューヨークの日米２大スターが口をそろえて繰り返した。

　松井氏　子供たちが笑顔になって、東北に戻ってもらえるように、その手助けを２人でできたら。

　ジーター氏　彼らに笑顔を与えられるようなイベントにしたい。

　２人はヤンキースで同僚だった時から「（大リーグで）引退したら一緒に日本に来てプレーしよう」と口約束していたという。松井氏は１２年で引退。「僕の方が２年早く引退し、その夢はかなわなかったが、今回２人で一緒に日本でこういうイベントができるので楽しみ」。当日は松井氏が被災地の、ジーター氏が日本在住の米国人の中学選抜チームを率いて対戦。先に「口撃」を仕掛けたのはジーター氏だ。

　「特に隣にいる、このトシヨリ（年寄り）のチームと戦うのは貴重な経験なので非常に楽しみ」。２人は７４年６月生まれの４０歳。松井氏は１２日で２週間早いだけだ。ジーター氏は来日した前夜に松井氏に得点のハンデを要求し、却下されたことも明かした。そこで勝利への秘策を問われ「審判にできる限りプレッシャーをかけたい。現役時代はなかった退場も初めて経験するかも」と退場も辞さない猛抗議に出る姿勢を示唆した。主催者によると、両指揮官の「代打・オレ」などによる途中出場でのプレーも可能。松井氏も「ジーターの退場は見てみたい。想像もできないので。そうなれば我々が勝てると思う」とクールな貴公子のヒートアップを歓迎した。

　さらにジーター氏は、松井氏が少年時代に相撲とピアノに打ち込んだことを知り、目を見開いて爆笑した。「まわし姿の写真を持っている方はいませんか？」と報道陣に尋ね、イベント当日の松井氏のピアノ演奏までリクエスト。これには松井氏も「（ピアノは）３０年間やっていないので、ダメだと思います」と苦笑いするしかなかった。

　爆笑会見で盛り上げた２人。とびっきりの笑顔を東北に咲かせるつもりだ。

　▽トモダチチャリティベースボールゲーム　４部構成で行われ収益を東日本大震災の復興支援に充てる。トークショーと慈善オークション後には東京ドームで小学４～６年生を対象とした野球教室を開催。巨人・原監督と小林、日本ハム・栗山監督と大谷らも参加する。その後は松井、ジーター両氏が監督として対戦し、最後に本塁打競争を行う。特別ゲストとして歌手の長渕剛のスペシャルライブも。また当日は巨人―日本ハムのオープン戦がデーゲームで組まれ、松井、ジーター両氏が始球式を行う。