ダル「一つの終わり」…手術前日、右肘に感謝「生まれ変わっても」

[ 2015年3月18日 05:30 ]

レンジャーズのダルビッシュ

 17日(日本時間18日)に右肘じん帯の再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けるレンジャーズのダルビッシュ有投手(28)が16日(同17日)、自身の公式ブログを更新。手術前日の心境を赤裸々につづった。手術を決断した当初からの前向きな姿勢は変わらないながら、「一つの終わりを感じています」と感傷的な思いも吐露。運命の手術を目前に、長年自身を支えてきた右肘じん帯へ惜別の思いも込めた。

 今後の野球人生を左右する手術。いつになく感傷的になったとしても不思議ではない。ダルビッシュはメキシコ湾に面したフロリダ州ペンサコラから、手術前日の心境をブログにつづった。

 この手術は100%帰ってこられるわけではありません。帰ってこられない可能性もあるのです

 15日に手術するフロリダに入り、16日には執刀医となるジェームズ・アンドルーズ医師の診察を受けた右腕。手術では右手首の腱を右肘へ移植することが決まったことを明かした上でこう続けた。

 これは“ダルビッシュ有の始まり”か“ダルビッシュ有の終わり”かはまだ判別がつきません。ただ愛する“野球界の発展”に繋(つな)がることは確実だと考えています

 13日の会見でもトミー・ジョン手術について「(他)人と自分は違う。自分なりに新しいアプローチの仕方をしようと思う」と話したダルビッシュ。手術からリハビリ、そしてマウンド復帰を通じて、新たな経験を球界に還元しようという気持ちは変わらない。

 9割近い高い成功率を誇るトミー・ジョン手術だが、確実な成功を約束されているわけではないことは承知している。だから、自身の右肘へ自身の感謝も伝えた。

 ファンの方々に見せてきたいろいろな姿も全てこの右腕があったからこそでした。その右腕のじん帯と共に生きるのも今夜が最後です。こんなとこまで連れて来てくれたのですから本当に感謝しかありません。同時に自分の中では何か一つの終わりを感じています

 ただ、終わりは始まりでもある。それを知っているからこそ、手術を決断した時と同様に、ポジティブな姿勢は崩していなかった。手術に対する不安や怖さはない。ブログの中でもあらためて決意を込めた。

 前を向いてしかいないということです。次に見るダルビッシュ有は前より強いかもしれませんし、弱いかもしれません。その“結果”がどうであれ“結果”に向かうリハビリという“過程”においては絶対妥協はしませんし、タダでは手術はしません

 そして最後は、再びじん帯への思いで結んだ。

 自分は生まれ変わってもまたこのじん帯と一緒になりたいです。今までありがとう

 郷ひろみとの破局会見で松田聖子が語った芸能史に残る名言「生まれ変わったら一緒になろうね」に負けず劣らずの熱い思いの丈。手術によって“相棒”に別れを告げ、新たなる挑戦へ踏み出す。

 ▽ジェームズ・アンドルーズ 1942年9月、ルイジアナ州生まれの72歳。トミー・ジョン手術を考案した故フランク・ジョーブ医師の愛弟子の一人で、同手術の権威として知られる。レッドソックス・田沢、レンジャーズ・藤川の手術も執刀。記録に残る同手術初執刀は85年のデービッド・ウェルズ(通算239勝)で、大リーガーの執刀件数は100件を超え世界で最も多い。

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