ゴメス　復帰即タイムリー！有言実行の一打、左脇腹心配なし

[ 2015年3月16日 05:30 ]

オープン戦阪神４―３ＤｅＮＡ

（3月15日横浜）
　主砲が完全復活―。左脇腹痛で戦列を離れていた阪神のマウロ・ゴメス内野手（３０）が１５日のＤｅＮＡ戦（横浜）で「４番・ＤＨ」として、９日ぶりに実戦復帰。５回１死二塁からの第３打席で右前適時打を放ち存在感を示した。開幕へ向けて一時は出遅れも懸念されたが、昨季セ・リーグ打点王を獲得したバットで周囲の不安を一掃した。

　有言実行の一打だった。前日１４日の練習後に復帰戦での安打を宣言していた。「ヒットを打つ！」。調整不足が懸念されたゴメスが待望の実戦復帰で快音を放った。

　２点リードで迎えた５回１死二塁の第３打席、三浦のスライダーを詰まりながらも右前に運ぶ適時打で復帰試合を自身で祝った。

　「打席の中での感覚も悪くなかった。今日はボールを見たいというのがあった。それはできた。まだタイミング、自分のリズムは取れていないけどね。大丈夫だよ」

　力強いスイングで回復ぶりを証明した。

　初回は四球（６球）、３回は見逃し三振（４球）と、しっかりボールを見極めていた。だからカウント１ストライクからの変化球にも迷うことなくバットが出た。勝負強さは健在だった。

　復帰戦で一定の結果を残したことに和田監督も安堵（あんど）した様子だった。

　「打席に立てたことが良かった。ヒットも出た。（今後は体の）キレを作るために数多く打席に立たせる。来週からはポジションにも就く」

　一時は開幕へ向けた出遅れが懸念された。先発出場した６日の西武戦（甲子園）、二塁ベースに帰塁した際に左脇腹の張りを訴えた。翌７日からは別メニューで調整。来日１年目の昨季は４番として１０９打点をたたき出し打点王のタイトル奪取。チームを９年ぶりの日本シリーズ進出へと導いた。当然ながら今季も必要不可欠な存在だった。それだけに首脳陣も助っ人の離脱に不安を募らせていた。しかし２万４０００人を超える大観衆の前で周囲の不安を一掃してみせた。

　「（脇腹は）大丈夫。これから暖かくなってくるし、試合に出れば（実戦感覚も）大丈夫と思う。試合に出る限り多く打席に立って調整を続けたい。あさってからは守備にも就けると思う」

　１７日のＤｅＮＡ戦（横浜）からは一塁の守備に就くことも明言した。

　１月には母国のドミニカ共和国でパスポートの盗難被害に遭い、来日が遅れる不運にも見舞われた。そして左脇腹痛と苦境に立たされてきたが、もう心配はいらない。残された実戦は練習試合も含め６試合しかないが、２７日に迎える中日との開幕戦に向けて上々の再スタートを切った。