“100%ない”と言ったけど…デーブ監督 安楽今季中1軍に“含み”

[ 2015年3月13日 05:30 ]

<ヤ・楽>1回を無安打2奪三振と好投した安楽

イースタン春季教育リーグ 楽天2―2ヤクルト

(3月12日 戸田)
 圧巻デビューだ。楽天のドラフト1位・安楽智大投手(18=済美)が12日、「プロ初登板」を果たした。イースタン春季教育リーグのヤクルト戦(戸田)の8回から救援登板し、1回を2奪三振で無安打無失点と好投した。大久保博元監督(48)は現時点で今季の1軍起用については否定的な見解を示しているが、プロ初登板でその潜在能力の高さをあらためて証明した。

 いきなりの3球三振に球場がどよめいた。安楽は先頭の川上に対し、1ストライクから146キロの直球で空振りを奪うと、3球目はサインに首を振ってスライダーを選択。鋭い曲がりに川上のバットはまったく動かず、見逃し三振。「緊張もなく普段通り投げられた。スライダーの切れが良かったので勝負球に使った」。プロ初登板でも18歳は平常心だった。

 続く山川も外角スライダーで空振り三振斬り。奥村は直球で中飛に抑え、3者凡退でベンチに戻ると、少し頬が緩んだ。この日はフォームのバランスを重視して、すべてセットポジション。「振りかぶればもっと(球に)勢いが出る」と自信をのぞかせた。

 高校2年時の13年センバツで準優勝を果たし、同年夏には自己最速の157キロを計測。しかし、その直後に右肘を痛めた。再発を防ぐために、テークバックが小さいフォームに改造。しかし、2軍降格を機に「実力がないから落とされた。自分を見つめ直した」という。2軍では遠投を繰り返して体を大きく使うことを意識。テークバックも自然と大きくなった。「ボールを上から叩けるようになった」と手応えを口にする。

 チームは安楽を「2年計画」で1軍に送り出す方針を固めている。今季は2軍で1イニングの救援、来季は先発で2軍のエース、そして3年目に1軍のローテーション入りという構想だ。大久保監督も「1イニングで2三振は素晴らしい。立派」と評した上で、安楽の1軍起用について「今年は100%ないと言える」と明言。ただ、一方で「“100%ない”と言った言葉を覆せるだけの体力をつけてほしい」と“含み”も持たせた。

 「結果を出して、いち早く1軍に上がりたい」。2軍とはいえ、プロの打者を格下扱いした安楽。1軍昇格の可能性「0%」ではもったいない。

 ▼ヤクルト・奥村 いい回転の球が来ていた。(13年の)U―18のジャパンで一緒にやっていたときの豪快なイメージ通りだった。

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2015年3月13日のニュース