ダル17日にも“人生初”右肘手術へ 全治1年以上…来季開幕も不透明

[ 2015年3月13日 05:30 ]

レンジャーズのダルビッシュ

 レンジャーズは11日(日本時間12日)、右肘の内側側副じん帯を部分断裂したダルビッシュ有投手(28)が、別の医師に求めたセカンドオピニオンでも手術を勧められたことを発表した。早ければ16日(同17日)にも、じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受ける。手術決断の最終結論を下す前に、別の医師にサードオピニオンを求めるが、全治1年以上と言われる同手術で肘にメスを入れることが決定的となった。

 ダルビッシュの2015年は、開幕を前に終わりを告げる見通しとなった。ジョン・ダニエルズGMは10日にニューヨークで診察を受けた、デービッド・アルチェック医師によるセカンドオピニオンを公表。初見と同様にトミー・ジョン手術を勧められ、回避は難しいという見立てを示した。

 「アルチェック医師にも同じように手術を勧められた。全ては手術する方向で進んでいる。驚くことはないし、大きく変わることもない」

 同GMは「最終的な決断だけは、まだしていない」と前置きし、サードオピニオンを求めることも明言。同僚の藤川、レッドソックス・田沢らを執刀したジェームズ・アンドルーズ医師に画像を送って診断を仰ぐが、「(それによって手術の方向性が変わることは)予期していない」とも付け加えた。同手術の権威の見解をもって踏ん切りをつけるものとみられる。

 手術が決定的となり、球団も日程調整に動いた。「最終的な決断は今週末までで、手術は来週の頭になるだろう」と同GM。早ければ16日(日本時間17日)にもダルビッシュは野球人生初のメスを右肘に入れる。執刀医はチームドクターのキース・マイスター医師と、前述のアルチェック医師、アンドルーズ医師に、ドジャースのチームドクターのニール・エルトラッチェ医師を候補に加え、選定を進めている。

 ダルビッシュはこの日、全体練習に再合流して左投げでキャッチボールなどを行った。同GMは「最終的な決断をするまでは、彼は公にはコメントはしない。決断すれば、みんなに話す」と説明。報道陣との接触はなかったが、「我々は同じ考えだ。彼は状況を理解している。手術をするなら、互いに早い方がいいのは分かっている」と右腕の胸中を代弁した。リハビリには12~15カ月を要する。今季絶望なだけでなく、来季開幕に間に合うかも不透明。一日でも早く手術を行うことで、出遅れを最低限に防がなければならない。

 トミー・ジョン手術の成功率は約9割。肘への不安が消え去ることで、復帰後に故障前より高いパフォーマンスをみせる投手さえいる。メジャーでも屈指の投手にまで成長した右腕は、しばし傷ついた羽を休める。もう一度、屈強な大リーガーたちを圧倒するために。

 ▽トミー・ジョン手術 損傷した肘のじん帯を切除し、手首や足首など他の部位から正常な腱を移植する手術。70年代にフランク・ジョーブ博士(故人)によって考案され、当時ドジャースのトミー・ジョン投手(メジャー通算288勝)が74年に初めて受けたことからこう呼ばれている。通常、リハビリには12~15カ月の期間を要する。

 ≪経緯≫

 ▼3月5日 オープン戦初登板となるロイヤルズ戦に先発。右上腕に張りを訴え、1回、わずか12球で降板。予定は2回、35球だった。

 ▼6日 磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受け、チームドクターのキース・マイスター医師に「右肘内側側副じん帯の部分断裂」と診断され、手術で完治を目指すよう勧められた。

 ▼7日 ダニエルズGMが診断を公表。ニューヨークでメッツのチームドクターであるデービッド・アルチェック医師に、セカンドオピニオンを求める方針を示した。

 ▼9日 ダルビッシュがセカンドオピニオンを受けるためにニューヨークへ移動。

 ▼10日 アルチェック医師の診察を受け、再び手術を勧められた。ダルビッシュはこの日のうちにキャンプ地へ戻った。

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