脳腫瘍乗り越え…オリドラ1山崎福 開幕1軍見えた 6回無失点

[ 2015年3月13日 05:30 ]

<オ・楽>6回を無失点に抑えたルーキー・山崎福

オープン戦 オリックス2-0楽天

(3月12日 姫路)
 開幕1軍入りがはっきりと見えてきた。オリックスのドラフト1位左腕、山崎福(明大)がオープン戦初登板で、三塁も踏ませず、6回を2安打無失点と快投した。

 「90点くらい。自分の強い真っすぐが投げきれた」

 間髪いれずに投げ込むハイテンポ投法で楽天打線を手玉にとった。ロジンバッグに手を付けず、サインを見てすぐに投球動作に入り、打者を自分のぺースに引き込んだ。2回は6球で、5回は8球で3つのアウトを取った。「テンポがいいと言われるときは、調子がいいとき」と胸を張った。

 制球力も抜群だった。打者20人のうち12人に対して初球ボール。それは攻めた結果だ。「初球から振ってくると聞いていたので、初球はボールになってもいいから、厳しくいきました。四球を出さない自信はあった」と無四球で6回70球の省エネ投球。交代のメドは100球だったが余力たっぷりでマウンドを降りた。

 実戦初登板となった2月24日の韓国・斗山との練習試合(清武)では2本塁打を浴びて3回5失点。セットポジションからの投球を課題に挙げられ、翌日には完全シャットアウトした室内練習場で高山投手コーチらが付きっきりで修正に励んだ。キャンプ後に2軍落ちしたが、7日の教育リーグ・阪神戦(鳴尾浜)では降雨ノーゲームながら3回無失点で、再び1軍での登板機会を得た。

 オリックスの先発ローテーションは金子、西、ディクソン、バリントン、松葉の5人が当確。残る1枠を吉田一、東明、山崎福が競う。森脇監督は、この日の山崎福について「いいものを多く出した。競争の枠の中にいる」と言及した。

 中学3年時に脳腫瘍が見つかった。数カ所の病院で「野球なんかとんでもない。手術しても自発呼吸ができなくなったり、歩けなくなる危険性がある」と言われただけに、今もマウンドに立てているのは奇跡でもある。山崎福は「少しはアピールできたかな」と自信を取り戻した様子だった。

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