マートン3安打!好調5割…西岡“寒い”ままなら開幕3番も

[ 2015年3月12日 06:45 ]

<神・広>4回裏無死、マートンは左前打を放つ

オープン戦 阪神7―1広島

(3月11日 甲子園)
 阪神のマット・マートン外野手(33)が11日、広島とのオープン戦(甲子園)で今春実戦で初めて「3番」で出場して3安打を放った。開幕3番が決定的な西岡の打撃が上がらない状況で実施された試験的起用に満点回答。開幕構想に乱れが生じた場合でも今季打線の看板とも言える1番鳥谷、2番上本を崩さずに戦う準備を整えた。

 今春初披露した『3番マートン』はどんな意味を持つのか。和田監督は試験起用を強調した。「試したい打順があるから今週いっぱいを使って何通りかを試す」。左脇腹を痛めているゴメスは週明け17日に実戦復帰を予定。だから、不在の「今週いっぱい」を試行期間として「何通りか」ある腹案の一つだった『3番マートン』を形にした。

 結果は合格ラインをはるかに超えた。初回は広島・野村を襲う痛烈な内野安打。4回は九里の内角高めを左前へ運び、5回は小野の外角低めを再び左前へ。1、5回はともにフルカウントから。内でも外でも打ち返し、追い込まれても対応する技術を極寒の悪条件でも存分に見せつけた。

 「どんな天候でも打席に立てば、自分の力を出すだけ。打順に関しても同じ。どの打順でもベストを尽くすだけだ。上位の方が打席の回る回数が多いから(気分的には)いいけど、打席の中での考え方は変わらない」

 昨季公式戦では一度もなかった3番出場。13年は17試合あり、9月29日の中日戦が最後だった。加入当初は1番を打ち、過去3度の最多安打王を誇る助っ人にとっては最初の攻撃で確実に打席が巡る3番の椅子が心地よさそうに映った。

 和田監督は頭を巡らせた。「どちらを優先するか。ゴメスの前に塁に出る選手を置くのが一番いいけど、その後をどうするのかも打線だから」。現時点では3番西岡の開幕構想を“撤回”する可能性には聞こえない。開幕後も西岡の打撃が上がらない有事を想定。昨季3番だった鳥谷を今春は1番に固定し、2番上本と連動させるのが今季打線の根幹だ。1、2番の並びを崩さない「3番マートン」は有効かつ魅力的な解決手段だった。

 キャンプ序盤の右太もも裏故障の影響で実戦守備にはまだ就いていない。「状態は日に日に上がっている。いい当たりが野手の正面を突くこともある。そういう、自分でコントロールできないことは考えず、やるべきことをやっていく」。3番でも5番でも頼もしい男だという事実だけは揺るがない。

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