松井氏 ヤ軍特別アドバイザーに 引退後初の常勤「大きな挑戦」

[ 2015年3月12日 05:30 ]

「ヤンキースGM特別アドバイザー」就任会見を行う松井秀喜氏とブライアン・キャッシュマンGM

 ヤンキースはOBの松井秀喜氏(40)がブライアン・キャッシュマン・ゼネラルマネジャー(GM=47)の特別アドバイザーに就任すると発表し、松井氏は11日(日本時間同日深夜)にキャンプ地で就任会見を行った。契約期間は1年。日米を通じて球団に常勤で所属するのは2012年の現役引退後初めて。傘下マイナーの試合を巡回して視察し、監督、打撃コーチらとともに打撃面を指導する。現役時代に背負った「55」のユニホーム姿も披露される。

 日米球界を代表するスーパースターに、新たな肩書が加わった。ヤンキースのGM特別アドバイザー。松井氏は12年の現役引退以降、球団に常勤で所属するのは日米通じて初めてで、キャンプ地での就任会見で「ヤンキースでは素晴らしい時間を過ごした。今度は若い選手の力になれるように頑張っていきたい。僕にとっても大きなチャレンジ」と抱負を語った。

 キャッシュマンGMや、ゲーリー・デンボー育成担当副社長を補佐し、1年を通じて傘下マイナーの試合を巡回し、打撃面で監督、コーチらとともに選手に助言を送る。マイナーには、13年にドラフト2巡目で指名されて入団した加藤豪将内野手が所属している。松井氏は昨季に続き、今季も春季キャンプで臨時コーチを務めて、若手選手を指導してきた。

 会見はキャンプ地のツアーに参加した約50人のファンも見守った。「ゴジラ人気」は健在で、松井氏も「スペシャルアドバイザーですが、スペシャル通訳がいなくても大丈夫なようにやっていきたい」と話し、笑いを誘った。マイナーの選手を指導するにあたって、代名詞だった背番号55のユニホーム姿も復活する。会見に同席したキャッシュマンGMは「ぜひ着てもらいたい。マイナーにはそれぞれのチームのユニホームがあるので可能な限り」と話した。

 引退から3年目。今年は古巣の巨人だけではなく、現役時代に打撃コーチとして指導を受けた中畑監督が率いるDeNAのキャンプも視察するなど、精力的に動いている。そして今回のGM特別アドバイザー就任は近い将来、監督になるためのステップアップとなり、松井氏は「現時点ではそこまで考えていない」とした上で、「もし、そうなった時に、今回の経験が生きればいいと思う」と前向きに話した。

 指導者として本格的に動きだす松井氏に対し、ジョー・ジラルディ監督は「彼がここ(ヤンキース)にいるか、日本に帰って、監督やそういったもの(コーチ)をするのかは知らなかったが、ここに残ってくれてうれしい」と喜んだ。一方で巨人も将来の監督候補として大きな期待を寄せており、昨年11月には白石興二郎オーナーが「ポスト原の有力候補であることは間違いない」と明言している。GM特別アドバイザーの契約期間は1年で、来年以降に関しては白紙である。ただ、近い将来の監督就任に向け、大きく前に踏み出したことは事実だ。

 ▼キャッシュマンGM 彼は本当のプロフェッショナル。我々からお願いしたいとずっと思っていたし、この機会を迎えられてよかった。若い選手に知識と経験を伝えてもらいたい。

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