小谷野 いぶし銀2打点“仕事きっちり”成瀬の配球見抜いた

[ 2015年3月11日 05:30 ]

<オ・ヤ>3回2死一、三塁、小谷野は中前適時打を放つ

オープン戦 オリックス5―2ヤクルト

(3月10日 京セラD)
 これぞ小谷野と言わんばかりのいぶし銀の2打点だった。オリックスは初回、2点を返して逆転し、なおも1死三塁。「外野フライを狙っていた」場面で、きっちりと中犠飛を放った。「お互いに探り合っていた」という成瀬の3ボール1ストライクからの5球目、低めのボール球というチェンジアップを見事にすくい上げた。

 「狙って打てたのはよかった。ゴロを打たせようとする配球だと分かっていたので」。敵の術中にはまることなく、10年に109打点でタイトルを獲得した勝負強さを見せた。さらに3回、2死一、三塁では同じチェンジアップを中前適時打。「オープン戦とはいえ結果が出るにこしたことはない。打点は(オリックスに)必要としてもらった部分なので、どんどん挙げていきたい」と、価値ある2打点を喜んだ。

 シーズンに入れば6、7番が濃厚だが、小谷野が下位打線に控えることは強みだ。FAで獲得に成功した加藤編成部長が「ダブルクリーンアップを任せたい」と期待したのは、昨年、下位打線の停滞が打線を止めたため。第2の中軸を担う小谷野も「つなぐ意識。前も後もすごいバッターだから、楽な気持ちで打席に立たせてくれる」と仕事場を理解している。

 2月下旬は体の張りがあり、練習試合は守備のみの出場だったが、森脇監督が「準備の意識が高く、あれぞ本物のプロ」とうなったこともあった。いまだに外野手用グラブをバッグに忍ばせ、「試合に出られるなら」という。いぶし銀だが、オリックスを熱くしてくれそうだ。

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