ダル 開幕暗雲…右腕張りで12球降板も「全く心配する必要ない」

[ 2015年3月7日 05:30 ]

<レンジャーズ・ロイヤルズ>初回を投げ終え、降板したダルビッシュ(AP)

オープン戦 レンジャーズ4―5ロイヤルズ

(3月5日 サプライズ)
 初の開幕投手へ暗雲だ。レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(28)が5日(日本時間6日)、オープン戦初登板でアクシデントに見舞われた。先発したロイヤルズ戦で右上腕三頭筋に張りを訴え、1回、わずか12球で降板。予定は2回、35球だった。本人は軽症を強調し、球団も大事を取ったと説明。6日(同7日)にチームドクターの診察を受けるが、当確していた4月6日(同7日)のアスレチックスとの開幕戦登板に、影響を及ぼす可能性が出てきた。

 順調な立ち上がりに見えた。ダルビッシュは初回、先頭に右前打されたが後続の3人をピシャリ。客席には交際中で身重の元レスリング世界女王・山本聖子の姿もあった。ダグアウトで迎えた同僚とはハイタッチを交わした。ところが、トレーナーや首脳陣と険しい表情で話し込むと2回のマウンドには向かわず、クラブハウスへと消えた。

 いわゆる「二の腕のたるみ」の部分にあたる上腕三頭筋の張り。球団からは降板してすぐに「大事を取っての処置」と説明があった。アイシング治療を受けたダルビッシュは「三頭筋がちょっと張っていたので。あまり力を入れず、コントロールだけ意識して投げていました」と語った。過去に似た症状は経験がなく、試合前のブルペンで張りを覚えたという。予定では2回、35球をメドとしていたが、回復の兆候はなく、断念した。

 6日(日本時間7日)に現地入りするチームドクターのキース・マイスター医師の診察を受け判断を仰ぐ。ダルビッシュは「全く心配する必要はないです」と軽症を強調。ジェフ・バニスター監督は「用心してのこと。この時期に危険にはさらせない。あす(現地6日)になれば状況が分かると思う」と慎重だ。

 昨季は8月9日のアストロズ戦で右肘の炎症を訴え、そのままシーズンを終えた。肘に直結する上腕三頭筋の状態次第では、球団は慎重な姿勢を見せるかもしれない。昨季は故障者の続出が響き、地区最下位に沈んだ。今春も左腕エースのホランドが左肩痛で、紅白戦の登板を回避したばかり。開幕まで残り1カ月。しばらくノースローとなれば調整遅れは必至だ。当確していた4月6日(同7日)アストロズ戦の開幕戦マウンドに影響する可能性はある。

 昨年は開幕直前の3月21日に首を寝違えた。「2、3日で大丈夫」と話していたが、回復に時間がかかり内定していた同31日フィリーズ戦の開幕投手を回避した。ダルビッシュは、患部への質問が続き「誰かきょうの投球への質問はないのかな?良かったでしょ」と自ら切り出す場面もあった。「失望していたら冗談を言っていられないので」と付け加え、白い歯をのぞかせる余裕もみせた。公私共に順風だったメジャー4年目を襲ったアクシデント。医師の診断が注目される。

 ▼レ軍・チリーノス捕手 内容は良かった。本人が、三頭筋が少し張っている、と言うので驚いたよ。大事に至らなければいいのだが。

 <米移籍後のダルビッシュの故障箇所>

 ◆太腿痛 12年8月23日、右太腿の張りでツインズ戦登板を回避した。

 ◆首痛 12年9月25日、首の張りを訴えアスレチックス戦の登板を回避。13年3月18日にも首の張りでオープン戦登板を回避。7月10日には首の付け根から背中にかけての右僧帽筋の張りでDL入り。14年3月21日は首の寝違えでマイナー戦登板を回避。内定していた開幕投手を回避しDLで開幕を迎えた。5月27日にも再び首の張りを訴え、ツインズ戦登板を回避した。

 ◆神経障害 13年8月後半、腰からでん部にかけて神経障害を発症。右足のしびれが続き、8月18日以降は1勝4敗。

 ◆右肘痛 14年8月9日のアストロズ戦で右肘を痛め、炎症と診断された。復帰することなく、シーズン終了。

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