マエケン“順風”零封…強風なんの！開幕追い風３回１安打

＜Ｄ・広＞３回を無失点に抑えた前田健

練習試合 広島５―５ＤｅＮＡ

（3月1日 宜野湾）
　広島は１日、沖縄キャンプ最後の実戦となる練習試合・ＤｅＮＡ戦（宜野湾）に前田健が先発。２年連続５度目の開幕投手が内定している右腕は、３回１安打無失点の快投を見せ、順調な仕上がりぶりを見せつけた。

　自身にとっては今季初の対外試合で貫禄を示した。打者１０人に要した球数は４５球。球場のすぐ裏に広がる東シナ海からの強風と、断続的に降り続いた雨をものともせず、まったく危なげなく開幕へのワンステップを刻んだ。

　「やりたいこともでき、内容も良かったと思う。次は広島に帰ってからだし、イニング数も伸びてくる」

　抜群の安定感だった。朝からの荒天で、右翼から左翼方向への風は旗が吹き飛びそうなほどだったが、動じない。初回は３者凡退。２回２死から倉本の右前打で初安打を許したが、スキあらば盗塁を狙う俊足のルーキーに４度もけん制球を投げるなど、本番さながらのマウンドさばきも見せ、一塁にくぎ付けにした。

　緒方監督は「最悪のコンディションの中で集中力を切らさずによく投げてくれた。彼は信頼しているんで」と賛辞を惜しまなかった。

　昨季は、雨天中止となった７戦中４試合の予告先発投手。チーム内では「雨男」で定着している右腕だが「晴男でしょ。きょうは天気予報ではできなかった。できたのは僕のおかげです」と笑わせた。調整段階ながら最速は１４７キロ。この日の空とは正反対に３・２７ヤクルト戦（マツダ）への視界は良好そのものだ。