倉本“琢朗級”巧打!憧れ先輩の激励受けマエケン攻略2安打

[ 2015年3月2日 05:30 ]

<D・広>9回、倉本は右翼線へ同点2点二塁打を放つ

練習試合 DeNA5―5広島

(3月1日 宜野湾)
 天敵を唯一打ったのは新人だった。2回2死無走者。DeNAのドラフト3位・倉本(日本新薬)は初めて対戦した広島の前田健が投じた内角高めの直球を引っ張り、右前にはじき返した。厳しいコースだったが、内角は得意ゾーンだった。

 「いい投手だし、球が見られてよかった」。昨季、3勝(1敗)を許した相手エース。この日も3回で得点を挙げられなかったが、倉本だけは苦にしなかった。さらにキャンプの実戦最終打席となった2点を追う9回2死二、三塁でも右翼線へ同点の2点二塁打。左腕・岩見の内角スライダーを叩き「ツボ(内角)に来たので、(体に)当たってもいいと思って反応した」と頼もしい。

 この日を待ち焦がれていた。球団OBの広島・石井守備走塁コーチは現役時代に背番号「5」を背負い、遊撃手として活躍。通算2432安打を放った。神奈川県茅ケ崎市出身の倉本は「小さな頃から石井さんの姿を追いかけて遊撃手になった」と言うほどの大ファンで背番号を継承した。試合前に室内練習場で初対面。「辞めるまで5番をつけろよ。DeNAの5番は倉本と言われるように頑張れ」と言葉を掛けられ「お会いできてうれしかった」と感激した。

 憧れの人が見ている前で前田健から、そして土壇場で同点打を打ち、中畑監督は「何か持っている。倉本の安打は目立つ。2人のルーキーは戦力として十分期待できる」とドラフト5位・山下幸(国学院大)とともにキャンプのMVPに挙げた。

 一本足で全て引っ張りにいく豪快な打法は、広角に打ち分ける石井コーチとはタイプが違う。ただ野球に対してストイックに向き合い、集団に群れずに行動する姿は相通じる部分がある。「きょうは良かったけどこれで終わるわけじゃない。これからが大事です」。大先輩の言葉を胸にしまい、開幕スタメンを奪う。

 ▼広島・石井守備走塁コーチ(倉本は)僕の現役時代とタイプが違うけど思い切りのいい打者。背番号5をつけているので気になる。広島戦以外で打ってほしい。

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