遼馬 しびれたオール直球勝負全18球!“8回の男”任せた

[ 2015年3月1日 07:30 ]

<神・オ>8回に登板して1イニングを無失点に抑えた松田

練習試合 阪神2―0オリックス

(2月28日 安芸)
 阪神・松田遼馬投手(21)が28日、プレシーズンマッチ(スポーツニッポン新聞社後援)のオリックス戦(安芸)に登板し、1回無失点2奪三振の快投を披露した。全18球、オール直球勝負を挑み、最速151キロをマーク。故障離脱中の福原の代役として若きセットアッパーが満を持して1軍に帰ってきた。

 これが、松田遼馬だ。待ちに待った1軍マウンドで、自慢の快速球がうなりを上げる。この日のために、1カ月鍛錬を積んできた安芸で、若武者が力を解き放った。

 「最初は緊張してしまったけど、少し力を抜いて投げたら、真っすぐもいい球がいった」

 8回に登板すると、先頭の安達に四球。不穏な空気が漂う中でも、心を落ち着かせる余裕があった。二盗と駿太の一ゴロで1死三塁。失点のピンチを迎えて、一気にギアチェンジした。

 伊藤を3球で追い込むと、最後は外角へ投げ込んだ150キロで空振り三振。「狙って取りにいった。追い込んでから三振を取れて良かった」と、思惑通りにアウトを重ねると、小田も簡単に追い込んで内角への直球で見逃し三振。右腕から放たれた18球はすべて直球で、最速151キロを計測した自慢の「ウイニングショット」は球威、キレとも抜群だった。

 勝利の方程式を担っていた福原が右内転筋筋挫傷で戦線離脱中。昨年まで2年連続で1軍キャンプで故障していることを考慮され、2軍・安芸キャンプでじっくり調整してきた松田が、満を持して昇格した。直球で押すパワーピッチが魅力の右腕はセットアッパーの最有力候補。2点リードの8回での起用に首脳陣の期待がうかがえた。

 「(8回での起用に)そういうところで投げて結果を出したい。ポジションを獲れるように」

 年明けの自主トレは、福原と甲子園球場で合同で行った。キャッチボール相手を務めてくれた先輩右腕からは「グラブの使い方や、体重移動を教わった」と大きな収穫を得た。離脱している“師匠”の教えを生かし、1軍での地位を確立してみせる。

 刺激し合える仲間の存在も、闘争心をかき立てる。1月、同い年のドラフト1位・横山(新日鉄住金鹿島)、同4位・守屋(Honda鈴鹿)、西田、歳内、トラヴィスと西宮市内の飲食店で“同期会”を開催。キャンプ前の時期で、キャンプメンバーの振り分けでは1、2軍に分かれたが、「いつかみんな1軍で」と健闘を誓い合った。その中で現状、1軍にいるのは松田のみ。意地を見せる時が来た。

 「内容も大事ですけど、結果、ゼロに抑えられたのは良かった。自分の納得いくボールも何球か投げられた」。引き締まった表情。戦いはこれからだ。

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2015年3月1日のニュース